代々続く!年商1億円の元請け塗装屋の方程式

青木忠史

青木忠史
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■日本建築塗装職人の会 会長 / アサヒリフォーム有限会社2代目代表取締役(現名誉会長)/ 経営改善実績700社以上・相談実績7,000件以上 / 『職人の会式 塗装店経営法』開発/ 『繁盛親方-工事店DXアプリ開発 / 「いちばんやさしい工事店経営の教科書」(ダイヤモンド社)/「日本建築塗装職人の会 成功の秘密」「塗装職人」「のび太くん採用」(サンライズパブリッシング社)他

 

 

次の代へ引き継げるのは10%以下

 

塗装屋の皆さん。

実は、90%以上の塗装屋が2代目以降に続かないで廃業をしていることをご存知ですか?

そして、そのほとんどの塗装職人社長は、30代、40代、50代の時期には、「自分に限ってはそんなことないだろう…」と思い込んで、現実を直視しなかったという現実をご存知ですか?!

私は、塗装屋の経営コンサルタントとして、数多くの塗装職人社長さんからの経営相談を受けているのですが、「今の事業を後継者に任せていく」ということを現実として捉えていただくことが、経営コンサルタントとして最も難しい課題であると、認識をしています。

本当ならば、30代の時期から、塗装屋を後継者に任せることを前提に、真面目に経営に取り組んでいくことが出来れば、私が感じるところでは、80%以上の確率で後継者に譲渡できることと思うのです。

ところが、現実では、60歳を過ぎて、自分の体力が大きく衰えてきてから、尻に火がついて後継者育成について本気で考え出す人がほとんどなのです。

60代からの後継者育成での成功確率は、、、、なんと10%以下、、、

これが現実なのです。
この現実をこのコラムを通して一人でも多くの人が受け入れて、今から後継者育成に向かって努力をしていける塗装業界になっていくことを切に祈ります。

では、以下をお読みください!


はじめに:「一代限りの塗装屋」で終わらないために!

なぜ、多くの塗装屋は”一代限り”で終わってしまうのか?

その理由は、「塗装屋の経営の基本を全く理解できていないから」です。一般的な顧問税理士先生に聞いても、「今はどの業界でも後継者を探すのは大変ですからね~~」などと、正直、的外れな意見ばかりであるというのが現状です。

では、「塗装屋の経営の基本が理解出来ていたら、事業を承継することができるのか?」と聞かれると、私の答えは「限りなくYES」です。そこで、まず、事業が承継できない現実的な原因を見ていきましょう。

事業が承継できない現実的な原因

事業が承継できない現実的な原因は、私が認識している限り、以下の4点です。

優先順位具体的な内容
1.売上が上がらなくなっている集客戦略営業戦略が構築されていない
2.社員が定着しない上記に合わせて、採用戦略教育戦略が構築されていない
3.赤字で内部留保も無い上記に合わせて、経営管理財務戦略が無い
4.後継者が育っていない上記に合わせて、経営ビジョン経営戦略が構築されていない

いかがでしょうか。

逆手に考えれば、上記をご覧のとおり、実は、右列の経営戦略に取り組んでいくことで、「事業承継」後継者に事業を譲渡できる確率は確実に高まっていくのです。

それが真実である理由は、右列の経営戦略が定まっている上場企業などにおいては、当たり前のように「事業承継」が実現されているからです。

それと同じことを、塗装屋の経営でも行っていければ良いということですね。

それでは、今から何をどう行ったらよいのかを具体的に見ていきましょう。

 


方程式1‥「正しい仕事観」を持とう

「代々続く!年商1億円の元請け塗装屋の方程式」の1つ目は、「正しい仕事観」を持つということです。

なぜ、「正しい仕事観」を持つことが大事なのかというと、「正しい仕事観」を持つことによって、必ず、良いお客様・良い塗装職人さん・良い社員さんを集めることに繋がってゆくからです。

また一方で、その場しのぎ的な売上アップの施策に染まってしまった人は、いつまでも、その方法から抜け出すことができず、社長が年齢を重ねていくと同時に、社員が退社していき、老後にお店を縮小していくという姿を私は数多く見てきました。

つまり、経営を長く継続させることに対しては一見遠回りにも見える「正しい仕事観を持つ」ということが、長い期間の中では、真逆の最短距離になるのです。

ここで言う「正しい仕事観」とは、以下のとおりです。

・正しい仕事観の例

 ◎塗装工事を通して、地域の方々の暮らしの幸せを支えようと考えていること

 ◎塗装技術者の育成を通して、塗装業界の進歩発展に貢献しようと考えていること

一方で、真逆の自分本位的な考え方は以下のとおりです。

・自分本位的な考え方の例

 ×どの仕事をやったら儲かるかな?

 ×どうやって行ったら儲かるかな?

 確かに経営は大変なので、現実的にどのように儲けるかを考えなければならない面もありますが、社長が「正しい仕事観」を持っているからこそ、社員職人も安心して長くついてきてくれるようになり、その結果、会社は着実に儲かるように成長できるものなのです。これは綺麗事ではなく、塗装屋においては、本当に事実です。

 一方で、社長が「自分本位な考え方」を持っていると、そのお店で働く塗装職人さんたちも同じように考えてしまうため、一時期、やる気がある若い子がたくさん入社しても、その後、その子たちは仕事を覚えた後に独立をしたり、知人の塗装屋に転職したり、もっと良い条件の会社に転職してしまうため、会社組織はいつまで経っても成長しないという状況に陥ってしまうのです。

そのため、1つ目の方程式は「正しい仕事観を持つ」ということになります。

これは、次に語る「経営理念」にも通じるものとなるでしょう。

 


方程式2‥「経営理念」と「業務マニュアル」を作成しよう

「代々続く!年商1億円の元請け塗装屋の方程式」の2つ目は、「経営理念」と「業務マニュアル」を作成するです。

なぜ、「経営理念」と「業務マニュアル」を作成することが重要なのかというと、結局、社長が思っている仕事で大切にしたいことや、仕事のルールなどは、どれほど口頭伝達を繰り返しても、一向に伝わらないため、言語化・明文化する必要があるからです。

1.「経営理念」を作成し、浸透させるちょっとしたコツ!

 1つ目の「経営理念」とは、「仕事をする上で大切にしていること」を社長の言葉で書くことから始めていければOKです。

「仕事をする上で大切にしていること」とは、常日頃、社長が口に出していることでもあると思います。具体的には以下のようなことを社員に繰り返し伝えていないでしょうか?

■社長が繰り返し伝えていることの一例

 ◎信じてくれたお客様のために最高の塗装工事を提供する
 ◎見ていないところでも絶対に手を抜かない
 ◎自分に厳しく妥協をしない

・・・など

「経営理念だから、立派なものを書かなければいけない」と思い過ぎてしまい、一向に着手できないというよりも、まずは社長が日々に社員に伝えたいと思っていること・繰り返し伝えていることを、素直な言葉で全て書き出し、まとめていくことから始めていければOKです。

 また、実際に「経営理念」を掲げてみて、「これはちょっと違うかな・・・」と思えたなら、その時、柔軟に変更をすればOKです。なので、まずは書き出し、社員と共有することから始めましょう。

その上で「経営理念」を浸透させるために大切なことは以下の2点です。

 1点目・・・普段から社長自身が話している分かりやすい言葉で書くこと
 2点目・・・なぜ、そのようなことを大切にしているのかという理由も説明すること

 これにより、社員の納得の度合いが高まり、経営理念が浸透しやすくなるからです。

 逆に、一般的なコンサルタントに教えてもらった四角四面な言葉では、社員からも「なんだか、社長は背伸びした言葉を使っているな、、」等と受け取られてしまうこともあり、伝わらないケースが多々あります。

 ですから力を抜いて、素直な思いをまずは書き出してみることから始めてみることでよいでしょう。

2.「業務マニュアル」を作成して、「施工品質」の統一を図ろう

 2つ目は、「業務マニュアルを作成して、施工品質の統一を図る」ことです。

「業務マニュアル」を作成することがなぜ大切なのかというと、塗装屋さんによくある「あの人は、うちのやり方で仕事が出来ていない」という、仕事のミスマッチを防ぐことができるからです。

 塗装職人さんが転職をする最大の理由は、そのお店が定める工事基準が分かりにくいことが大きな理由1つに挙げられます。それは、社員が「社長のやり方にはついていけない…」と思って辞めていってしまうことです。塗装屋で働いていたら、一度以上は身近で聞いたこともあるのではないでしょうか。

そのような事態を解決するために「業務マニュアル」が必要なのです。目に見える形で表現されていることで、誤解が生じずに伝わるからです。

①具体的にマニュアルにしたい内容

 次に、具体的「業務マニュアル」を作成する工事ですが、以下に挙げる工事の中で、自社で携わる工事ごとに、手順書を作成していくことになります。

 ①住宅塗装(全般)
 ②アパート塗装(全般)
 ③新築時の塗装(全般)
 ④マンション・ビル改修工事(全般)
 ⑤店舗塗装(全般)
 ⑥その他・・・自社で携わる塗装工事全て

ここで、1点、次のような質問頂くことがあります。

「自分がマニュアルをまとめるのは大変だから、他のお店で活用している業務マニュアルを活用させてもらえばそれでいいんですが・・・」
「自社も他店もおそらく同じことを行っているのと思いますし・・・」

これについては、私は以下のように指導をしています。

その会社の「独自の考え方」が「業務マニュアル」には浸透しているので、他店のものを活用するのは得策ではない

 この理由は、現実、塗装屋さんごとに仕事のやり方は違うからです。

 具体的には、同じ住宅塗装(住宅リフォーム)の現場仕事の仕方においても、それぞれの会社でやり方が細かい部分で違います。例えば、「水洗いの仕方」1つとっても、ダンドリの仕方が全社違いますし、作業を実施する流れも全社違います。ダンドリは前日の夕方にやるという会社もあれば、おおよそ夕方にやるけど、作業車への積み込みは朝行うという会社もあります。

 水洗い作業の流れも、住宅を一周するという方法で行っている会社もあれば、扇のように左右に行うという方法で行っている会社もあります。そして、これら全てが「非言語」のままであるという点が、最大の問題点であるため、自社の業務マニュアルが必要なのです。

②業務マニュアルを作成することで、会社に起きる良き変化!

「業務マニュアル」を作成することによって、以下のような変化が起きるようになります。

起きることその結果
均一した仕事が提供できるようになるお客様からのクレームが激減する!
仕事を教える上での余計なストレスが減少する部下の成長が早くなる!
他店から転職してきた職人さんも早くお店に馴染めるようになる「うちのやり方でやってくれない‥」が無くなり、社員が定着しやすくなる!

 これらの結果、経営が安定化していくようになります。必ず、なります。

③業務マニュアルを作成するのは「社長」

 そのような「業務マニュアル」を誰が作成すればよいのでしょうか?答えは「社長」です。

もちろん、小さな塗装屋の社長は営業、現場管理、ときには自分も現場に入らなければならないことも多く、また、集金業務や支払業務も行っている社長も大勢いることは知っています。

しかし、それでも、会社の業務マニュアルを作成できるのは社長しかいないのです。そのため、業務マニュアルの作成担当者は社長となります。一方で、現場作業については、出来る限り親方に任せていくことや、事務作業を事務員さん(奥様等)にも手伝ってもらうなどをしながら、社長しかできない「自社の業務マニュアル」の作成をぜひ頑張ってください。

一時期、大変でも、必ず、後々、やっていてよかった、と思えるようになりますので。

 


方程式3‥「基礎仕事能力」を身につけよう

「代々続く!年商1億円の元請け塗装屋の方程式」の3つ目は、「基礎仕事能力を身につけ、業務効率を向上させる」ことです。

なぜ「基礎仕事能力」を身に着けることが大切なのかというと、結局、塗装屋さんは現場仕事には長けていますが、会社経営の基礎的な仕事能力については、多くのお店が疎かにしており、そのため、会社の発展を止めてしまっているという現実もよく見てきているからです。

塗装店経営で求められる基礎的な仕事能力の大きなものは、以下のとおりです。

 ①会話力
 「お施主様」「ご近所様」「元請様」「部下」「協力業者様」とのコミュニケーションを円滑に測ることで、売上・利益に差が出ます。逆に「会話」で損をしてしまっているケースも多々見てきました・・・。

 ②段取力
 「現場の工程管理」「1か月の工程管理」「社長自身のスケジュール管理」を磨くことで、売上・利益に差が出ます。逆に1件単価が高く粗利が多い仕事を受注しているのに、利益が少ない塗装屋の多くは「工程管理」が出来ていないことが原因です。

 ③営業力
 塗装工事は、全ての現場が見積方式。つまり現場の状況とお客様のニーズに合わせて工事見積書を提案する「コンサルティング営業」のような業種とも言えます。そのため、主に「見積書」を作成する際の「営業力」を磨くことで、決定率に大きな影響を与えます。

 ④PCスキル
 自分は苦手。PCは事務員さんに、という方も意外と多いのですが、今はPCでかなり多くの業務を行う時代になってきているので、経営には必須能力となってきています。

それぞれについて説明していきましょう。

 

1.売上アップに繋がる『5つの会話力』を磨こう

「塗装屋の基礎仕事能力」1つ目は「会話力」です。

「会話力」とは、主に以下のシチュエーションで必要な「会話力」になります。以下に真摯に取り組むことで、必ず売上・利益の向上に繋がります。

ストレートに言いますと、会話で損をしているであろう塗装屋さんが、多いということでもあります・・・。

では、さっそくどうぞ。

①一般消費者のお客様から信頼を勝ち取る「会話力」

 まず、一般消費者のお客様との会話では、低姿勢となり、礼儀正しい会話をすること・専門用語をあまり使わず素人の方にも分かりやすい説明をすることがポイントとなります。具体的には、以下のとおりです。

「お世話になっております。◯◯塗装店の代表の◯◯と申します。本日は、◯◯◯の作業を行います。◯◯◯の作業とは、△△△△ということを行い、お家を長持ちさせる作業になります。×××ことがある可能性もありますので、もし、少しでも気になられましたら、ご遠慮なくお尋ねください。どうぞよろしくお願い申しあげます」 など

 このような会話だけでも、「この塗装屋さんは立派な塗装屋さんね」と思われ、評判に繋がるはずです。なぜなら、多くの塗装屋さんがそのように行っていないからです。

②現場まわりの住民の方から信頼を勝ち取る「会話力」

 次に、現場まわりの住民の方との会話では、低姿勢となり、礼儀正しい会話をすることが大切です。得てして、消費者の方は、無理難題を言われることもありますが、それを一重にクレームとして受け止めるのではなく、商売人として、にこやかで低姿勢での対応を心掛けてまいりましょう。具体的には以下のとおりです。

「お世話になっております。◯◯塗装店の◯◯と申します。×××に対しまして、ご迷惑をおかけいたしまして、申し訳ございませんでした。以後、気を付けますので、何卒、よろしくお願い申し上げます。また何かございましたら、私◯◯◯まで、なんなりとお申しつけくださいませ。」 など

現場近隣の方は、お客様ではなくても、将来のお客様になっていかれる方でもありますので、たとえ、無理難題を言われることがあったとしても、なるべく穏便な対応を心掛けていけるようにいたしましょう。そのような「姿勢」が会社の評判にも繋がっていくからです。

③元請様から頼りにされ仕事を継続的に発注されるようになる「会話力」

 さらに、元請様との会話では、ビジネスライクな会話が大切、つまり、以下の3点が大切です。

 ①「5W1H(誰が・いつ・どこで・何を・どうした)」
 ②「結論」から話す習慣
 ③論理的でわかりやすい会話を心掛けていくこと(ロジカルシンキング)

具体的には以下のとおりです。

「いつもお世話になっており、ありがとうございます。◯◯塗装店の◯◯と申します。◯◯様邸の作業のご報告をさせていただきます。
 ・◯◯◯につきましては、本日無事終了いたしました。
 ・△△△につきましては、×××がありましたので、明日◎◎◎の作業を行い、終了となります。
 ・□□□につきましては、本日は対応できませんでしたので、◎日に改めて、対応をさせていただきたいと思います。

以上ですが、何か他に、ご指示などはございませんでしょうか?
ありがとうございます。それでは、引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。 など

特に、元請様も、会社が大きくなればなるほどビジネス思考が強くなりますので、塗装屋さんであっても、ロジカルシンキングを鍛え、元請け様からの要望に応えていけるように努力してまいりましょう。

その結果、さらに多くの仕事を任せてもらえるようになっていくことと思います。

④マネジメントを成功させる部下(社員)との「会話力」

 さらに、部下(社員)との会話では、主にマネジメント的要素を含んだ会話です。マネジメントとは、「チーム(組織)を通して成果を上げるための管理(人的管理・数値管理)」を指しています。

 そのため、ただ優しいだけではダメ、ただ厳しいだけでもダメであり、リーダーは、成果を上げていくために、その時、その時、必要なアクションを求められています。

例えば、

 ◎元気が無い・疲れている・落ち込んでいる時には励ましたほうが良い
 ◎まだ頑張れそうな時には、叱咤激励も必要

など、同じ状況でも部下の様子を見ながら対応を変えていく必要があります。

また、マネジメントのベースとしては、上司・部下では、理解し合っている関係が大前提です。そのため、上司側(代表側)が歩み寄り、自分の「考え方」を理解してもらうように、話し合うことをします。

部下も人間ですので、頭ごなしに指示をするのではなく、1点1点を理解をしてもらうよう、じっくり話をすることも時には重要です。

その他、塗装職人さんのマネジメントについては、別途コラム等で共有いたします。

⑤現場を円滑に運営するための協力業者さんとの「会話力」

 最後に、協力業者様との会話では、以下の5点が大切です。

 ①ねぎらいの言葉
 ②「5W1H(誰が・いつ・どこで・何を・どうした)」

 ③「結論」から話す習慣
 ④論理的にわかりやすい会話を心掛けていくこと(ロジカルシンキング)
 ⑤明確な期日を提示し確認をすること(GOALセッティング)

具体的には以下のとおりです。

「いつもありがとうございます。ほんと、いい仕事で助かっています!さて、◯◯◯の現場の進捗状況はいかがでしょうか?本日は◯◯◯の段階まで。◯◯日までに完了を予定していますので、そのように頑張ってもらいたいのですが。お願いできますか?(ありがとうございます。それではよろしくお願いします!)」

特に、1人親方などの協力業者さんは、学校等でもコミュニケーション術等を勉強されていないことも多く、「結論」に到達するまで、話が長くなる方もおられます。そのような協力業者さんに対しても、最初は丹念に話を聞きながら、『1-3.元請様との会話』を逆に指導していき、円滑な会話ができるように促していきましょう。

そのようなことを心掛けていくことで、良いパートナーとして育成していきましょう。

2.経営効率を向上させるための「3つの段取り力」を磨こう

「塗装屋の基礎仕事能力」2つ目は「段取り力(ダンドリ力)」です。

塗装屋で求められる「段取り力」とは、以下の3つになります。

 ①現場の工程管理
 ②1か月の全現場の工程管理
 ③社長のスケジュール管理力

それぞれについて、真面目に取り組むことで、必ず、売上・利益の向上に繋がります。順番に説明していきますね。

①現場の工程管理は「原価管理シート」の作成を実行しよう

「現場の段取り力の向上」においては、以下のような「原価管理シート」を、現場ごとに作成していくことになります。

本原価管理シートは『繁盛親方』に内蔵されている「原価管理シート」です。

 この「原価管理シート」の作成方法は、非常に重要な項目でもあるため、別ページ「塗装屋が利益を残す原価管理の仕方」で詳細まで説明していますので、解説はそちらに譲ります。

 

②「工程管理表」の作成を実施しよう

「1か月の全現場の段取り力」の向上においては、以下のような「工程管理表」を作成し、実施し続けることになります。

こちらも「習うより慣れろ」で、どのお店でも最初はうまくできなくても、だんだんと上達していきますので、まずは、実行を開始していくことです。

 

③Googleカレンダー(無料)を活用すて「社長のスケジュール管理」をしよう

「社長のスケジュール管理力」の向上においては、無料の「Googleカレンダー」を活用していくことになります。

 

既に、多くの方がご承知のところかと思いますが、Googleカレンダーでは以下のことが可能です。

 

■便利なGoogleカレンダーの活用法!

 ①それぞれのスケジュール項目の詳細を記入しておくことができる!
 ②地図へのリンクもできる!
 ③事務員さん・社員さんとの共有もできる!
 ④予定の前に、アラートを出すorメールを送信することができ、忘れることが無いように注意ができる!
 ⑤スマホ・PC・タブレット等、どのキャリアからも閲覧・操作ができる!

このようにGoogleカレンダーを活用していくことにより、業務効率が各段に向上しますので、「現場管理シート」「工程管理表」「Googleカレンダーの活用」を実践し続けて、段取り力向上を目指してください。

 

3.見積の決定力を高めるための『営業力』を磨こう

 「塗装屋の基礎仕事能力」3つ目は「営業力」です。

塗装屋の営業力」とは、主に「塗装工事の見積書の作成~提案」において求められる営業力を指しています。これに取り組むことで、契約率に差が出て必ず売上・利益の向上に繋がっていきます。

 見積提出時の「営業力」を磨く視点は、以下の4点になります。

①お客様の住宅の状況を正しく診断する「調査診断能力」
②お客様のご要望をしっかりと把握するための「ヒアリング能力」
③お客様のご要望をかなえるプランを提案するための「施工知識」と「塗料・材料知識」
④見積を提出するプレゼンテーション能力(営業力)

現在、「相見積でよく負けてしまう…」というお悩みがある方は、①~④のどの部分が弱いのかを発見し、強化することで見積決定力を強化していくことを考えてみるとよいでしょう。

 

4.PCスキルを習得しよう

「塗装屋の基礎仕事能力」4つ目は「PCスキル」です。

具体的には以下のような作業に関わるスキルが最低限求められます。

①調査報告書~見積書の作成
②原価管理シート・工程管理表の作成
③各種管理ソフトの使用
④各種案内の作成
⑤ブログやホームページ等の更新作業

 上記を実行できる「PCスキル」の習得に取り組むことで、円滑に経営を回すことができるようになります。

そして、これらは、今の時代ではどの塗装屋さんでも日常的に行う業務ですので、こちらも社長自らが「習うより慣れろ」で、数をこなし頑張っていきましょう。逆に上記以外に行う必要性は少ないため、上記に絞り込んで習得していくこともポイントとなります。

以上が「基礎仕事能力」ですが、現場仕事に集中していると、意外と見落としがちな能力ですよね。

がんばっていきましょう。

 


方程式4‥採用競争力を身に着けよう

「代々続く!年商1億円の元請け塗装屋の方程式」の4つ目は、「採用競争力を身に着けること」です。

人口減少の時代の中で、かつ、人気のない建築業界の職種には、ふつうに採用を出してもなかなか求人が出来ないからです。かといって、業界内の経験者の取り合いだけは、また条件の良い会社に転職をしてしまうことも多いため、会社を成長させることが出来ません。

その上、塗装店経営者の方がたの99%以上の方々は、「採用戦略」を一生涯学ぶ機会もなく、その結果、組織づくりができないまま、塗装店経営に幕を下ろしていくという現実があるからです。

 そこで、本コラムでは、ピンポイントで採用のコツをお伝えします!

■代々続く!元請け塗装屋の方程式-採用のコツとは?

①「日当◯◯◯◯円!日払い可」「未経験者歓迎」「福利厚生充実」という「条件採用」を辞めて、社長の考え方を提示して採用していく「理念ビジョン価値観マッチング型採用」を行うこと

②ハローワーク等の媒体だけで求人を募集し続けるのではなく、一般媒体(en転職等)でも募集をすること

「では、いつからこのような採用を行えばよいですか?」

という質問を頂くことがありますが、理想は、1人目の社員を採用する時から行っていくということです。ただし、現実的には、1人目の社員を採用する時には資金力なども無いことが多いため、1人目に限らず、なるべく早い時期から実行していくことをおススメしています。

また、このような「理念ビジョン価値観マッチング型採用」を行うことで会社は以下のようになっていきます。

■理念ビジョン価値観マッチング採用を行う効果!

①社員の出入りが少なくなる!
②社員の愛社精神が高くなる!
③社員が会社のことを考えて仕事をしてくれるようになるので、会社が成長する!
④善循環が起き、さらに良い人材が入社するようになる!
⑤組織内に浄化作用が働くようになり、考え方が一致していない人対して自然と「考え方」を浸透させていくようになる!(浸透できなければ、その人は自然と退社をする)

そして、「社長の考え方」を理解して、入社してくれる方は、仕事ができるようになってからも、「この会社を辞めて、もっとお給料の良い会社で働こう」と考える等ということはせず、社長と共に会社の発展を考えてくれるようになることが多いです。

成長していく会社は、いずれもこの「理念ビジョン価値観マッチング型採用」を守っていますので、ぜひ、あなたの塗装屋でも実践をしてみてください。

(詳しい「理念ビジョン価値観マッチング型採用」については、また別途!)

 


方程式5‥社長が情熱を注いで塗装技術者(職人)を育成しよう

「代々続く!年商1億円の元請け塗装屋の方程式」の5つ目は、「社長が情熱を注いで塗装技術者(職人)を育成すること」です。

なぜ、社長が情熱を注いで塗装職人を育成することが大切なのかと言うと、結局、事業が続かない塗装屋は、社長が職人教育をしていないということが明確だからです。

また、数年前に廃業をした職人社長が最後に言っていた言葉で以下のようなものがあります。(これは事実です)

「わしの人生で一番の後悔は、自分で社員を育てなかったことだ・・・・・」

この言葉を最後に、この社長は会社を廃業させて、2年後にお亡くなりになりました。生前はかなりの頑固オヤジでしたが、廃業後は、風船が萎んでしまったように衰え、帰天されていきました。

そのような光景を見ていて、私は、若い時期から職人育成を自ら行うことの大切さを痛感し、今、皆様と共有をさせていただいているのです。

逆に、私自身がいち早く事業を承継して、日本建築塗装職人の会に特化することが出来たのも、自社で社員を育てていたからです。

社員教育(職人教育)のちょっとしたコツ!

塗装技術者(職人)の育成において、私が700社の塗装工事店を見てきて、成功するパターンと感じている点は以下の3点です。

■社員教育のちょっとしたコツ!

①社長自身が仕事人間となり、社長自身が仕事に精通すること
②部下を愛し褒めて伸ばすこと
③常に、部下には一段上の仕事にチャレンジさせること

実は、教育に、うまい下手はほとんどありません。上記を愚直に真面目に行ってみてください。必ず、前進していくはずだからです。

その前提で、それぞれについて以下に説明いたしましょう。

1.社長自身が仕事人間となり、社長自身が仕事に精通すること

 1つ目の社員教育のポイントである、「社長自身が仕事人間となり、社長自身が仕事に精通すること」について。

なぜ、これが大切なのかというと、プロはプロの元で育つのが原則であり、社員は社長の背中を見て育つものだからです。

 また、奥様も一緒に仕事を行っている(事務仕事などで手伝っている)場合には、奥様も仕事を大好きになっている状態が絶対条件です。社長や奥様が嫌々な姿勢や、苦しそうな姿勢で仕事を行っている会社で、良い塗装職人さんは育ちません。職人さんは、社長の背中を見て育つからです。

 反対に、小さな塗装屋さんの社員教育でやってはいけないことは、以下の2点です。

■やってはいけない教育

× 社長が会社の椅子に座り、現場に出ずに口だけで仕事を教えようとすること
× 社員教育を社員任せすること

 社長の中には「自分は忙しい…」ということを言い訳にして社員教育を怠っている方は、実際、大勢います。そのような会社のほぼ全てで社員は育っていませんので、社長自身の時間割をよく考え直して、社長自らが社員教育をすることが大切です。一時期、遠回りのように見えても、伸びていく会社では、ほぼ必ず社長自身が先頭に立ち社員教育をしているからです。

一方で社長が先頭に立って社員教育をするメリットは以下の2点です。

■社長が社員教育をするメリット!

①塗装技術のみならず、会社で大切にしている「理念や考え方」も同時に伝えることができる
②社員は、忙しいのに仕事を教えてくれる姿勢を見て、この親方・社長についていこうと決めるようになる

 このようなことからも、社長が先頭に立って社員を教育することが、会社を発展させるための1番の社員教育となります。反面、社長自身の仕事に対する姿勢に乱れがあれば、それ自体も伝わってしまうため、会社にとってはマイナスの掛け算となり、全く教育効果は無くなるということを強く心がけておくことも大切ですね。

2.褒めて伸ばすこと

2つ目の社員教育のポイントは、「褒めて伸ばすこと」です。

よく言われる話ですが「教育」のラテン語の語源は、「education(引き出し)」と言うそうですね。教育とは、その人の持っている才能を引き出し、伸ばすことと考えられてきたということですね。

ところが、塗装屋さんの社長の多くは、あまり社員や職人を褒めたがりません。

その理由は、大きく2つあるということを見てきました。

■塗装屋のオヤジがあまり社員を褒めなかった理由・・

①1つ目は、自分もあまり褒められてこなかった
②塗装業という職業柄、仕上げに関わる仕事なので、完成の前に「ダメコミ」「ダメ出し」を行う文化が根底にある

 そのため、「褒めること=甘やかすこと」と考えており、「厳しくすること・しっかりダメ出しをすること=相手にとっても最善の教育」と思い込んでいる節もあるようです・・・。

 確かに、厳しくすることも大切ですが、愛情をかけずに育てた子は、力をつけてきた思春期になってから親に反発することがあるように、職人であれば、現場の仕事が覚えられた時点で、反発して外へ出ていってしまうことにもなりかねません。

多くの人は、

「自分が頑張っている姿を褒めてもらいたい」

「自分の悪いところばかりを修正しようとするのではなく、良いところを見て伸ばしてほしい」

と、心の底では思っています。

褒めて伸ばすことが上手な親方の元には、「俺はこの親方についていくよ」と言っている職人さんたちが大勢いるお店もあります。

きっと、親方がこの「原理原則」を理解しているのだと思いますし、職人さんは意外と単純で素直な方も多いため、繰り返しになりますが、相手の良い部分を常づね口にして褒めてあげることが教育では大切ですね。

そのような親方が増えれば、健全な塗装屋も増え、塗装業界も、多くの塗装技術者を育成できるようになり、本質的な発展を実現できるのではないか、と思います。

3.一段上の仕事にチャレンジさせること

3つ目の社員教育のポイントは、「部下には一段上の仕事にチャレンジをさせること」です。

それにより、社員も育ち、会社も成長します。

具体的には以下のとおりです。

■一段上の仕事にチャレンジさせるコツ!

①仕事ができるようになった子方には、「現場親方」の仕事を任せてみる
②仕事ができるようになった現場親方には、「職長」の仕事を任せてみる
③仕事ができるようになった職長には、「経営責任者」を任せてみる

ところが、多くの塗装屋さんの社長は仕事を部下に任せません。なぜでしょうか?

それは、以下の3点があるようです。

■部下に仕事を任せない3大理由

①部下に任せるタイミングを見誤っている
②部下の失敗を恐れている
③「部下は、次の仕事もできるようになる」ということを社長自身が信じ切っていない

それぞれに対する対応は以下のとおりです。

①の部下に次の仕事を任せるタイミングを見誤らないためには以下の2点を実行してみてください。

■部下に次の仕事を任せるタイミングを見誤らない2つのコツ

①「業務マニュアル」で部下の業務習得能力を常に確認をしていくこと
②毎月面談を実施し、部下の本音を確認しつづけること

②の部下の失敗を恐れるを克服するためには、以下の3点を実行してみてください。

■部下の失敗を恐れないための3つのコツ

①部下が自信をつけられるよう指導をする
②部下が失敗したら、自分が尻ぬぐいをする心の準備を持つ
③部下の失敗をカバーできるよう、常に営業利益を出し、常により多くの顧客獲得・信頼獲得を心掛け続ける

③の部下を信じ切るためには、以下の3点を実行してみてください。

■部下を信じきる3つのコツ

①「君ならできる。大丈夫だ!」と口に出し続ける
②自分の過去を振り返り、自分の新人時代の心境を思い出し、常に心に置いておく
③自分も常に新しい物事に挑戦し、新しい物事に挑戦している時の心境を理解しておく

もちろん、よく部下の実力を見極める必要はありますが、仕事に対して一定の自信を持ちはじめてきた部下に対しては、社長は勇気を持って仕事を任せることが大事です。

それを行わないと、逆に、実力をつけてきた部下ほど、現状の環境に物足りなさを感じてしまい、転職を考えるきっかけを与えてしてしまう可能性もあるからです。

そして、仕事を任せていく中で、部下も、社長も、会社も成長していくのです。

また、一方では、責任のある仕事を任せたら、部下は裏切るのではないかと考えてしまう社長もいるかもしれません。私が長年見てきた限り、本気の社長を裏切る部下は極めて少数です。

万が一、一度は裏切られても、その失敗によって社長自身は、採用方法や仕事の任せ方を習得することになるため、次からは成功するというケースがよくありました。辛いですけどね。。

ですから、今の事業を成長させようと考えるのであれば、「若いうちにお金と人の失敗をせよ」と言われているとおり、社長自身は失敗を覚悟の上、勇気を持って部下に仕事を任せていく訓練をいたしましょう。

 


方程式6‥自社の「コアコンピタンス」を追求し続けよう

「代々続く!年商1億円の元請け塗装屋の方程式」の7つ目は、「自社のコアコンピタンスを追求し続ける」です。

聞きなれない言葉「コアコンピタンス」とは「他を圧倒する自社の能力」です。塗装屋においては、限りなく「施工力」です。

なぜ、「自社のコアコンピタンス=施工力」を追求し続けることが必要なのかというと、このコアコンピタンスこそが事業の本質、事業の存在意義、事業の価値だからです。

そして、コアコンピタンスを追求し続けることが出来ている塗装屋は、儲かりそうなほかの事業に手を出して失敗することがありませんし、長く経営成功を実現している塗装屋は、限りなく、塗装屋としてのコアコンピタンス=施工力」を追求し続けているからです。

「コアコンピタンス」とは?

コア・コンピタンスとは、「競合他社を圧倒的に上回るレベルの能力」「競合他社には真似できない核となる能力」と言いましたが、一方で以下のような根拠の無いキャッチフレーズ的なものは、コアコンピタンスではありません。

× うちはどこよりもいい仕事をします
× 強みは施工品質です
× お客様の満足度No.1
× ⚫⚫⚫棟の施工実績

 また、現時点においては不明瞭であっても、これからの会社経営の中で、コアコンピタンスを明確にして、伸ばしていこうと考えていくことが、塗装屋の経営の基本でもあるのです。

 なぜなら、そもそも事業とは、塗装業に限らずとも「強み」でしか生き残れないものあり、その「強み」を「さらなる強み」へと永遠に押し上げていく営みでもあるからです。

 単純な例をお話いたしますと、創業当初は、住宅塗装においての施工技術者が社長1人であり「町内NO.1」であった存在が、そのうち「市内No.1」となり「県内No.1」となっていき、徐々にアパート塗装の分野の施工実績が増えてくる。そして、アパート塗装の専属施工技術者も複数人育成していき、市内No.1、県内No.1と、徐々に成長をしていく、というように事業を成長させることができるのも、コアコンピタンスを追求し続ける姿勢からです。

このように、コア・コンピタンスを追求し続けることで、必ず、事業は、必要な方から強く必要とされ続ける存在となり、収益性の高い塗装屋さんになってゆきます。

もし現時点において、まだコア・コンピタンスが明確になっていないという方でも、今からコア・コンピタンスを明確にして、追求を始めることでよいので、ぜひ、意識して実践してみてください。

 


方程式7‥理念型マーケティングに徹しよう

「代々続く!年商1億円の元請け塗装屋の方程式」の7つ目は、「理念型マーケティングに徹しよう」です。

「理念型マーケティング」とは、「社長の考え方」に共感してくれるお客様だけを集めるマーケティング手法です。

 なぜ、塗装屋は「理念型マーケティング」が良いのかというと、結局、塗装工事は、施工前にはどのような工事になるのかが、お客様にはわかりにくい面と、失敗が許されない「商売」である面から、なるべく「社長の考え方」に合ったお客様とお付き合いをすることが、もっとも経営を成功させていきやすいからです。

 そして、「理念型マーケティング」で集めたお客様は信頼度が高く、また施工後もクチコミをしてくれやすいという面があるからです。

 逆に、「商品・価格重視型マーケティング」でお客様を集めてしまうと、まず、信頼を得て、ご契約するまでにも時間がかかり、施工後も半信半疑で居られるため、クレームも頂きやすい面があるからです。

その他の要素も含めて、「理念型マーケティング」と「商品・価格重視型マーケティング」を比較してみます。

規準理念型マーケティング商品・価格重視型マーケティング
信頼度高い低い
価格高い低い
満足度高い低い
クチコミ多い少ない
クレーム少ない多い

「理念型マーケティング」とは、どのようなマーケティングかというと、まさに職人の会が創立以来、提唱し続けてきたマーケティング手法です。

塗装屋が長く発展繁栄をする理念型マーケティング
 「社長の考え方」をストレートに伝えるために、無駄な装飾を一切排除したシンプルなマーケティング手法。

しかし、これは「職人の会式」だけでなく、世の中の100年企業が軒並み導入している手法でもあります。

■実際の100年企業のイメージは以下のとおりです。

株式会社にんべん 様(1699年創業)

株式会社 山本山 様(1690年創業)

株式会社三越伊勢丹ホールディングス(1673年創業)

100年企業では、そのほぼ全てが、余計な装飾をせず、シンプルに、商品・サービス・代表者・創業者の思いをマーケットに訴えかけています。

長い年月を経ていくうちに、結局、商品・サービスでお客様の信頼を勝ち取ることが第一であり、装飾や誇大表現は事業の永続に対しては不要であるという判断をされているように見えます。

私たち塗装屋も、そのようにありたいと願って、「職人の会式」をプロデュースしています。

 

 


まとめ:「年商1億の塗装屋」をしっかり作れれば、次の発展が見える!

①塗装屋として当たり前の実践が長期繁栄の秘訣

 その理由は、儲かってきたら、いろいろとやりたがるのが人間の性でもありますし、また、社長も年齢を重ねれば重ねるほど、体力も衰えてくるため、少しでも楽をしようと考えてしまうことも、ごく当たり前にあるからです。

②ごく自然な営業方法で継続させることが重要

 また、不思議と「集客」「マーケティング」をあまり強調していないため、おかしいな、と思った方もいるのではないでしょうか。現実的に、長く継続し続けている塗装屋は、刺激的な派手な営業方法などを取らず、オーガニックなごく自然な営業方法を選択していることが多いものです。
 その理由としては、確かな社員職人を育てているため、派手に営業をしなくても、ごく自然と信頼を勝ち取れるレベルまで来ているからです。
 塗装工事は大きな買い物であり、本当にしっかりとした工事を行ってくれるのかを、お客様は依頼前に徹底的に確認するものです。それは、消費者のお客様だけではなく、元請け様も同じくです。その反面、一度、信頼が出来たら、無条件に近いレベルで、次から次へとリピートを依頼してくださるという傾向もまたあります。

 そのため、経営実績が長くなるにつれて、「施工班を育成する」という本質をしっかりと踏んでいれさえすれば、徐々に営業をしなくても、工事を依頼してもらえるようになるからです。

 このような姿が「代々続く!元請け塗装屋」です。本ページに記載してあることを、2代目、3代目も理解した上で取り組んでいくことが出来れば、必ず、塗装屋は、時間と共に大きく飛躍していきます。

 「時間と共に」「オーガニックに」が、塗装屋が長く継続して発展繁栄し続けるための秘訣なのです。

③たかが年商1億の塗装屋と思うなかれ!

 そして、最後に私が述べておきたいことは、たかが年商1億円の塗装屋と思うなかれ!ということです。ここで述べている「代々続く!年商1億円の元請け塗装屋の方程式」は、その後、多店舗展開に繋がり、2億円、3億円とごく自然と成長していく仕掛けが、実は多く含まれているのです。

 それは、この「代々続く!年商1億円の元請け塗装屋の方程式」を忠実に実践していただければ、相応しい時期に、徐々に理解が出来てきて、時間と共に、あなたの会社も土台がしっかりとした発展を実現できているはずです。

 そして、小さくても塗装技術者を育成できる塗装屋が増えることが塗装業界と日本の未来を切り開くのだと、日本建築塗装職人の会では考えていますので、ぜひ、あなたもこの「代々続く!年商1億円の元請け塗装屋の方程式」を今日から実践してみてください。

そして、具体的にさらに実践を深めたい方は、ニッポンの塗装店FCへの加盟もご検討ください。

 

 

 

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日本建築塗装職人の会は、塗装業界の健全発展、建築業界の健全発展を実現したいと考えている任意団体です。
日本建築塗装職人の会の武器は、これまで15年間700社以上の経営指導実績の中で培ってきた独自の経営スキーム「職人の会式 塗装店経営」です。
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