信言は美ならず【老子】

「信言は美ならず、美言は信ならず(信言不美、美信不信)」とは、真実味のある言葉は飾り気がなく、飾気のある言葉は真実味がないという意味の「老子」の言葉です。

確かにその通りだな、と感じる方も多いのではないでしょうか。特に情報社会となり、最近ではフェイクニュースや「デマ」も目立つようになってきています。

一方で、「老子」は、実は、「宇宙の真理」を突いた表現を数多く遺しています。老子が考える「宇宙の真理」とは、有名な「陰陽和合」に代表されるように、正反対の性質を持った存在が和合(調和)して、新たなエネルギーを発することを指しています。陰陽和合で発生する新たなエネルギーこそ、宇宙の進化・発展繁栄のエネルギーとも言えるのです。

この「信言は美ならず、美言は信ならず」とは、その「陰陽和合」を阻害することが無いように、人々を諫めておられるようにも感じますよね。

戦争が起きている今の時代ですが、世界が真実の会話・情報のみに変わり、相対する存在とも和合を志すだけで、平和にはあっという間に訪れるのに。

 今、老子の言葉が再び思い出されることを祈りたいですね。