塗装屋さんに特化した「借金返済」の完全ロードマップ

青木忠史
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【塗装店に特化した経営コンサルタント】日本建築塗装職人の会 会長/アサヒリフォーム有限会社2代目代表取締役(現名誉会長)/ 経営指導実績700社以上面談実績7,000件以上 / 『職人の会式 塗装店経営法』開発/ 『繁盛親方』業務効率化ソフト開発 / 「いちばんやさしい工事店経営の教科書」(ダイヤモンド社)他

はじめに

お断りをしておきますが、私の会社(塗装店)には初代から引き継いだ借金が合計6,000万円ほどありました。

が、3年で完済しました。その時の経験に基づき、その後、百社以上の会社様の借金完済をお手伝いしてきた経緯があります。

借金は誰もが目を背けたいものであり、借りては返すを繰り返してしまい、なかなか返せないものだと考えている人も多いことも事実です。

ところが、中小企業でも事実として、1億円以上の借金を完済できます。今日はその「ルール」をこのページに書かせてもらいました。

もしも今、あなたに返しきれない借金があるのであれば、私の成功体験と失敗談を織り交ぜて書いてみましたので、ぜひ参考にしてください。


この記事の目次

1.借金完済のための「準備」

結論。

まず「借金を完済をする意思」を明確に持ち、論理的に計画を立てて、同時に、経営力を身に着けていくことで、たとえ多額の借金であっても完済することが可能です。まずは以下の図をご覧いただき、借金完済までの全体像(ロードマップ)をご覧ください。

そして、全体像が理解できましたら、1つずつ具体的に見て、実行していきましょう。

1-1.借金返済するために必要な「6つの意思」を強く持つ

 借金を完済するために大切なことは、まず「社長自身が借金完済意思を持つこと」です。

当たり前に感じるかもしれませんが、実は「借金完済する」という意思を持っていない方を、私は数多く拝見してきました。

その多くの人は、借入をしていくうちに、「借入があるのが当たり前…」というような心境になっていることが多く、「完済するのだ」という「意思」を忘れてしまっていることもあるのです。

ですから、「借金を完済する意思」を持つことが重要ということなのです。

その後、「計画」を立てて「実行」ができるようになるからです。

そのような観点から、まずは、借金(借入)を完済するために持つべき「意思」を6つご紹介いたしますね。

①「今後は借りない!」という意思を持つ

 借金完済のための1つ目の「意思」は、当たり前のようですが、「借りない」という意思です。

「事業を行うためには融資を受けるのが当たり前」「銀行さんとのお付き合いが今後も大事だから、何かあった時のために融資は受けておいたほうが良い」など思い込んでいると考えている方が非常に多いものです。

ビジネスモデルが確定していった後には、他人資本を入れてさらに事業を大きく成長させていくということも考えられないことはありませんが、私が、自社の経営と経営コンサルティングを行ってきて感じていることは、中小塗装屋さんの99.9%は、他人資本(借入や出資金の受入れ)を行って事業を伸ばすという段階にはなく、まずは、自己資本(自分で貯めたお金)で健全経営を行うことが大事であるということです。

会社を大きく成長させようと考える前に、まず、「会社を健全な状態で経営を続ける」というほうが大事であるため、借金の無い経営を行って、毎年内部留保(会社のプール金・貯金)を蓄積していくように心がけていきましょう。

②「必ず返すのだ!」という意思を持つ

 借金完済のための2つ目の「意思」は、「返すのだ!」という意思です。

金額があまりにも大きすぎると「返せないのではないか・・・」と思ってしまうこともよくあります。

また、自分が作った借金ではなく、先代から引き継いだ借金等の場合にも、自分が作った借金でないことからも、「返せないのではないか・・・」と思ってしまうこともよくあります。

そして、借入をしている期間が長期間に渡ると借金があるのが当たり前となってしまい、なおさら「返せないのではないか・・・」と思えてしまいます。

しかし、スタート地点から見つめる世界は「返し終わった世界」です。

私の経験では、この「返すのだ」という意思を継続していくために、部屋に「借金完済!おめでとう!」と書き出した紙を貼り、アファメーションをし、毎朝「絶対に会社の借金を完済するぞ」と心に誓って起き、1日を始めるという行動を継続し続ける習慣を作りました。

3年間で完済したということは、3年間、ほぼ毎日行っていたというのが事実です。

しかし、振り返ってみると、私自身は、借金完済の期間に自分が1番強くなり、会社経営についてもいろいろと体験的に学んだように感じます。

③「精神的な苦痛」に打ち克つ意思を持つ

 借金完済のための3つ目の「意思」は「精神的な苦痛に打ち克つ意思」です。

 借金が返せなくなる大きな理由に「精神的な苦痛」があると感じてきました。これが邪魔をして、経営上の正しい判断を狂わせてしまうことがあり、さらに借金を膨らましてしまったりすることもあります。

 具体的には、取り立ての連絡が頻繁にくる、税金、社会保険庁などからの督促状が届く、夜寝ている時にも借金のことを考えてしまい、夜眠れなくなり体調が不安定になる、社員に支払う給与が遅れて、社員が会社に不信感を募らせてくる、生活費を入れられなくなり、家庭での喧嘩が絶えなくなる、、、。などです。

これらは私自身、借金返済期間に体験したことですが、このようなことが、いわゆるボディーブローが蓄積していくように溜まっていくため、非常に苦痛な日々となっていくことがあるのです。

ただ、起きるたびび反発をしても、何かに当たり散らしても、根本的な解決には結びつかないため、このような精神的苦痛に打ち克つためには、「仏道修行者のように無欲に徹して、全てを受け入れていく。何を言われても全て受け入れていき、ただ淡々と本業に専念して、利益を出して、借金を返済する」ことかもしれません。

私自身の借金返済期間は、下着・靴下も買い替えることなく、ただ淡々と仕事に専念して、できる限り無駄を省いて、できる限り利益を出して、返済していくということを繰り返し続けました。

しかし、今振り返ってみると、そのような期間に、現在の経営の堅実経営の習慣が出来上がっていたのだとも感じます。

当時は大変でしたけどね。

④「遊び癖を戒め仕事に専念する」意思を持つ

 借金完済のための4つ目の「意思」は、「遊び癖」を戒め仕事に専念する意思です。

 借金が出来てしまう理由の1つに「遊び癖」もあると思います。仕事の繋がり・お付き合いなどから始まっていくものもあると思いますが、経営者自身の心の中で、「仕事は自分がやりたいことをやり、稼いだお金で好きなことをするのだ」というような認識で考えていたりすると、儲った後、遊びに走ってしまうケースもよくあります。

根本的に、仕事を追求していき、仕事の中にある「楽しみ」を発見していく姿勢を持つことで、会社も発展し、良い人材に恵まれるようになって、経営者の心も豊かになり、遊ばなくなるようです。

また、私が接してきた発展している塗装屋さんの社長はほとんど遊んでおらず、仕事そのものが好きで仕事を楽しむように行っている方が多いです。

つまり、「借金完済」はノウハウ的な面ばかりではなく、経営者自身が仕事に専念していくための自己変革であるとも思って取り組むことが大切です。

⑤「一段大きな経営者になるのだ!」という意思を持つ

 借金完済のための5つ目の意思は、「借金完済を通して一段大きな経営者になるのだ!という意思」です。

 論理的には、こうです。

■自分が作った借金を完済する場合

まず、借金が出来てしまったという事実は、それまでの自分の経営者としての実力を表していると理解する。
しかし、借金完済を通すことによって、明確に、利益を出せる経営者に生まれ変わることができると理解をする。

 

■先代等から引き継いだ借金を完済する場合

一般的に考えると、他人の借金を背負うということは嫌な出来事である。しかし、それを背負う機会を与えられ、背負う覚悟があるということは、一般の人よりも器が大きな人間であることの証明であると理解することができる。そして、それを完済できた場合には、さらに大きな器の経営者としての証明であると理解することができる。

このように捉えていくことで、借金完済を通して一段大きな経営者になると意思することができると思います。

そして現に、特に先代の借金等を完済された方の中には、その後、大きく成長される方がおられることも事実です。

⑥「完済後は『資産形成』をしていく」という意思を持つ

 借金完済のための6つ目の意思は、「完済後は『資産形成』をしていくという意思」です。

 借金完済ができない理由の1つとして、「借金完済自体」を目標としてしまうことです。たしかにそれは、第一目標なのですが、本質的な目標は、その後の「資産形成」であるので、資産形成目標を持つことが大切です。

 つまり、返し終わった後は、いくら貯めていくのかという目標です。

 分かりやすいのは、毎月の「返済額」は、完済後「貯蓄額」に変わっていくと考え、内部留保目標(貯金の目標)を立てることです。

例えば、毎月30万円ずつ返済・1年間で360万円返済していたとしたら、返済期間が終われば、その後は、1年間で360万円ずつお金が溜まっていくことになり、それを10年継続すれば3,600万円溜まることになります。このような「資産形成目標」を見ると、実際に溜まっていき、それを励みに「じゃあ、借金返済をガンバロウ!」とモチベーションも高まるものでしょうが、あらかじめ考えていないと、完済後は浪費してしまい、貯められるべきお金が貯められないこともよくあります。

なので、借金完済と同時に、完済後の『資産形成目標』を持つことが大切であるということです。

 

以上が、「借金完済のための6つの意思」でした。

これらの「意思」を持つことだけでも、現状を前進させることができるのではないでしょうか。

1-2.身近な方々に協力を仰ぐ

 借金完済のロードマップの2つ目は、「身近な方々に協力を仰ぐ」ことです。

 「1-1.借金完済するために必要な6つの意思」を持つことは、自分自身の努力だけでできることですが、こちらは、自分だけではなく、まわりの協力も仰いで、早期に完済を行っていくという趣旨になります。

 借金返済の時期は、ギスギスしやすい時期でもあるのですが、より一層、そのような時期に身の回りの方々の協力を得られる自分になることを心掛けていきます。

具体的には、奥様、家族、協力業者さん、社員さんなどの身の回りの方々があると思いますので、それぞれ参考にしてみてください。

①奥様の精神的な協力を仰ぐ

 奥様に協力してもらうためには、私は以下の3点だと、経験則より理解しています。

  ①夢を語ること・・・「借金完済したら〇〇〇をしよう。」「〇〇年〇〇月までに完済できるけど、できる限り早めに完済できるように頑張るね」など、奥様との夢を作り、定期的に話合うことで、精神的な協力をしてもらえることと思います。

  ②こまめに気分転換を行うこと・・・仕事でも手伝ってくれている奥様の場合、一緒に借金を背負っている感覚になると、どうしても息が詰まってきてしまうことがあります。その場合には、1週間~2週間に一度など、適度にドライブに行く、食事に行く、等の気分転換を入れていくことも大切です。「借金完済」はやや長期戦になることが多いため、焦ってしまっても、精神的によくないからです。

  ③家庭のこともなるべく行うこと・・・多額の借金を抱えた家業に携わっていただく奥様には、とても大きな重圧がかかるものと思います。そこで、社長は仕事一辺倒にならず、家庭の中では家庭のことを楽しく行ってあげてみてください。会社経営がうまく行かない時にそんな気持ちになれないかもしれませんが、仕事を家庭に持ち込まず、家庭ではひと時の楽しみを創造してあげてみてください。

これについては、私はなかなかできず、借金完済後の関係がギクシャクすることになりました。なので、上記は、私の反省の気持ちも込めて、もう一度、私が借金完済を行うとしたら、上記のようにやろうという内容です。

やはり、奥様との関係は人生を通してとても大切にしなければいけませんし、奥様に精神的に応援してもらうことが社長の一番の励みになると思いますから。

(そのためには、本ページを一番下まで読んでいただき、会社にいるときは、借金完済計画を立て、しっかりと実行を行ってください)

②協力業者や社員さんにも協力を仰ぐ

 次に、協力業者や社員さんにも協力を仰ぐための方法をお伝えします。

 プライドを捨てて、現在、経営状態が厳しいことを伝え、真面目に頑張ること、です。

基本的に、人は、勤勉で真面目な姿勢の人を応援したくなるものだからです。また、経営状態が厳しいことを伝えなくても、周りの方々は、薄々見ていれば分かる部分があります。ですので、正直に、その点を伝えたほうが業績改善は早くなるというのが、私の考えです。

実際、私が6000万円を返した時には、まず、社員と協力業者さんに、「現在経営状態が非常に厳しいのですが、なんとかみんなと一緒に頑張っていきたい」旨を伝えました。

その上で、社員さんにはお給料の減給(日当1,000円前後)をお願いしました。協力業者様には、それぞれの業者様ごとに溜まってしまった支払を整理して、過去分の支払については分割払で対応をさせていただき、当月完工の工事代金は翌月払で対応をさせていただくという点を書面にして、改めてお願いをしました。

その結果、社員、協力業者さん、いずれも90%程度の方が了承していただけることとなり、応援をしてくれることになりました。一方で、残りの10%程度の方が了承していただけず、その時を契機に縁が切れました。

業者さんは、全て完済し終わるまで毎月、「よろしくね」「頑張ってね」と声をかけていただき、とても励みになりました。

また、社員の方々には、借金完済が終わったらお給料は元に戻す約束をした上で、その後は社員旅行に行けるような会社にすることも約束しました。途中で何名かの方が辞めていかれましたが、借金完済が終わって、社員の皆様との約束を果たし、社員旅行も行けるようにしました。

これにより、会社自体も成長することができたと感じています。

1-3.完済後のご褒美を決めておく

 完済へのロードマップの3つ目は、「完済後のご褒美を決めておく」ことです。

 完済後のご褒美をあらかじめ決めておくことは、辛い借金完済期間を通過するために、良い意味で自分を騙す効果があり、とても重要です。

私の場合ですが、以下の3つのご褒美をあらかじめ決めていました。

 ①社員旅行に行きたい(これは社員の方々との破ることができない約束ともなり、効果を発揮しました)
 ②「借金完済という実績を自分のモノとして、コンサルに活かしたい」と思っていた。
 ③会社の内部留保〇〇〇万円!(こちらは経営幹部だけでの共有ですが)

 私の場合は、特に、何かを食べたい、どこかに行きたい、何かが欲しいというものが無かったのですが、借金完済後には、心の底から上記を実現したいと常々考えており、まわりの方々とシェアしていたため、結果的に、「それならガンバロウ」という上昇気流が沸き立つようになり、借金完済・業績改善はスピーディに起きたという経緯がありました。

以上、ここまでは主に、精神管理面的な部分が多かったですが、次は、具体的な経営戦術をご紹介します。

 


2.借金返済の「計画立案(プランニング)」

 さて、ここからは、具体的な借金完済計画です。

現在、暗中模索している方は、以下のとおりにまずは、返済計画を立ててみてください。必ず道が開けるはずです。

2-1.現状の「借金総額」と「現在の返済金額総額」を「見える化」する

 まず、1点目には、「現状の借金総額」と「現在の返済金額」を「見える化」します。

以下のようなシンプルな「借金一覧表」(一例)をまずは作成して、正確に把握してみましょう。

◎返済総額・・・3,780,000円
◎単年度返済金額・・・2,220,000円

*本質を理解してもらいやすくするために、少な目の借入金額の事例としています。

「見える化」をすることで、「見えない不安」から心を開放させていきます。

そして、クリアになった頭で経営に取り組むことで、業績改善を加速させていくという方向性をまず、見出します。

 

2-2.前期と今期の「最終利益」を確認する

 2点目は、前期と今期の「最終利益(当期純利益金額)」を確認することです。

具体的には、「決算書」の以下の赤枠部分に記載がありますので、ご確認してみてください。

当期純利益金額

 

「最終利益(当期純利益金額)」が、1年間で借金を返済できる最大額となります。

「2-1.現状の「借金総額」と「現在の返済金額総額」を「見える化」する」で確認した「単年度・返済金額総額」が、「最終利益」を上回っていないかを確認します。

 

単年度・返済金額総額 > 最終利益(当期純利益金額)返せる金額以上に返済していますので、必ず資金繰りが悪くなります。早期にリスケをすることが必要です。
単年度・返済金額総額 < 最終利益(当期純利益金額)返せる金額内で返済しています。

返済金額総額が、最終利益を上回っている場合には、早期にリスケを申請して行います。でないと当面資金繰りが悪く、経営が乱れたままとなります。

2-3.リスケ(リスケジュール:返済計画の見直し)を申請する

 3点目は、必要に応じて「リスケ(リスケジュール:返済計画の見直し)を申請する」ことです。

具体的には以下の2通りがあります。

◎一定期間、利息だけを支払う
◎返済期間を延長し、返済額を減額する

 返済金額総額が最終利益を上回っている場合には、金融機関側の方には申し訳ないですが、中小企業側としては、問答無用でリスケを申請することが大切です。なぜなら、そのような状態を継続していても、資金繰りが悪い状態は精神的にもプレッシャーとなり、正しい経営判断ができにくくなるからです。

 また、(私が経験則より考える)リスケ実行ラインは、返済金額総額が最終利益の80%を超えた時点です。

■銀行融資のリスケの仕方は以下の3ステップです

①電話連絡をする
金融機関に、「いつもお世話になっており、ありがとうございます。今回は、(資金繰りが良くないため)融資の返済金額の減額のご相談をお願いしたく、お電話を差し上げたのですが…融資担当の方をお願いできませんでしょうか?」と連絡をする

②お伺いして現状を説明できるよう(直近決算書)と当期損益計算書/貸借対照表等をあらかじめ用意しておく

 

リスケ後の「経営改善計画」をあらかじめ用意をしておく

 以下に、金融機関向け「穴埋め形式『簡易・経営改善計画』PPT」をご用意しておきました。クリックしていただければ、雛形資料を無料でダウンロード(プレゼントつき)することができますので、ご自由にご活用ください。

(リンク先のGoogleスライド⇁ファイル⇁ダウンロードでダウンロードできます)

 

④リスケ完了!

上記資料を作成して、金融機関様に相談に上がってください。合わせてあなた自身の誠実さを表現してください。

まずは「1年間利息だけの返済」にしてもらうことでもOKです。その1年間に経営改善を頑張っていきましょう。

2-4.「借金完済計画表」を作成する

 そして、借金完済計画の4点目は、「借金完済計画表」(下図)を作成することです。

こちらの「借金完済計画表」は、金融機関以外にも、業者への支払、消費者金融など、複数の借入が発生しており、どこに対して、いくらずつ返済をしていったらよいのか分からない…という状態になった場合に活用することを想定しています。

 

 

以下に、活用の仕方を説明します。

複数の借金完済の手順とコツ

基本ルール① 利息の高い消費者金融等と、リスケに応じてくださらない業者を、原則、左列(最優先)に記載する

基本ルール② それ以外の業者は、優先順位に合わせて、左から記載する

基本ルール③ 左側から一本ずつ完済していくようにする

基本ルール④ 決算期ごとに、想定以上に利益が出た分を繰り上げ返済に回す(ただし、左側の列からまとめて返済する)

基本ルール⑤ (上図では、ひと月ごとの返済金額を10万円と設定しているが)全ての列を1万円とし、残りの金額を一番左の列に回すように設定する

基本ルール⑥ 年度ごとに返済額を調整し直す(できれば、増額をしていく)

 

ピンク色で塗りつぶしている部分が、返済を加速させる、いわゆる「返済ブースト枠」です。

「選択と集中」により、1本ずつスムーズに完済させていくことで、高いモチベーションを保ちながら、全てを完済することが可能となります。

何度も、借金完済の指導を行いましたが、上記の方法が最も時間をかけず、モチベーションを高いまま完済できる方法です。

今、返しきれない借金がある方がおられましたら、ぜひこちら「青木式借金完済法」にトライしてみてください。

2-5.GOAL(=完済時期)を明確に決める

 借金完済の5点目は、「GOAL(完済時期)を明確に決める」ことです。

2-4.「借金完済計画表」を作成することで、借金完済時期が明確にします。そして、その後は「完済時期」を早める努力をします。「完済時期」を早めるためには、より多くの「最終利益」を出すことになりますが、何より、自分が決めた目標を自分でクリアしたという自信を得ることにも繋がります。

具体的な方法論は、「3.借金完済のための実行策-アクションプラン」に記載しておきましたので、ご覧ください。

 

2-6.返済期間中にあなたが得る「精神的価値」や「能力」などを明確にする

 借金完済の6点目は、「返済期間中にあなたが得る『精神的価値』などを明確にする」ことです。

借金完済を目標とする時期には、自分のやりたいことをやらず、一定の制約の中で経営を進めていくイメージとなり、人によっては精神的なストレスを感じる方もおられます。

そのため、時々、小さな息抜きを入れながら完済に向かっていくことは大切なことですが、それ以外に「返済期間中に得る『精神的価値』などを明確にしておく」ことも大切です。具体的には以下のとおりです。

◎借金完済期間を通して、自分は難しい課題をクリアするための計画力を得る
◎借金完済期間を通して、自分は1つの物事を実行し続ける信念を得る
◎借金完済期間を通して、自分は健全経営を実現する経営力を得る
◎借金完済を通して、自分はマーケティング力営業力を得る

など。

自分が借金完済に取り組むことを通して得ることができる「精神的価値」や「能力」などをあらかじめ明確にして取り組んでいくことを指しています。

 実際、借金完済後の方々は、借金完済期間を通して上記のような「精神的価値」や「能力」を得ていることを借金完済後に理解できるものですが、借金完済期間中から、それらを得ることを理解して取り組むことが、より健全に、そしてスピーディに、借金完済~経営改善を実行できるようになるからです。

 

 


3.借金返済のための「経営改善アクション」

塗装屋さんの「借金完済の完全ロードマップ」で全体像を把握して、借金完済の計画を立てたら、次には、「経営改善のためのアクション」を行っていきます。

このアクションが進めば進むほど、「借金完済時期」は前倒しできますので、ぜひ、こちらは借金完済期間中は繰り返し、見直してみてください。

3-1.経費の見直しを行う

 塗装屋さんの借金完済のための経営改善アクションの1点目は、「経費の見直し」です。

大きく影響を与える項目から順に記載しました。

①余計な経費(人件費)が掛かりすぎていないか?

 「経費の見直し」で1番大きなインパクトを与えるのは、売上に不相応な、事務員さん・現場監督さん、営業担当者さんを雇用をしている場合の見直しです。以下の表を基準に考え、余剰人員がいた場合には、申し訳ないですが、転職を促してあげてください。

 

■事務員さんの人員数(売上別)

奥様が善意でお手伝いしていただくことを否定しているものではありません。奥様がお手伝いしていただいている場合には、奥様以外の事務員人材を入れすぎないように、という指針となります。

売上事務員さん人数
5000万円以下0人 ※社長は自分で事務作業も行いましょう。
1億円以下1人
2億円以下2人
3億円以下3人

 

■現場監督さんの人員数(売上別)

以下は下請け事業の場合においてを想定しています。

(住宅塗装直販事業の場合、「職人の会式」では現場監督のポジションを想定しておりません)

売上現場監督さんの人員数
1億円以下1人
2億円以下2人
3億円以下3人
4億円以下4人

 

■営業担当者さんの人員数(売上別)

多くの塗装店では、社長が営業担当者でもあるので、以下の数字は社長を含めた数字とご理解ください。

特に、仕事が取れなくなって、営業担当者を追加で入れるということを行うと一気に経費がかかり赤字に傾きます。

売上営業担当者さんの人員数
1億円以下1人
2億円以下2人
3億円以下3人
4億円以下4人

■人件費の見直しのまとめ

よくある反論として、「解雇をするなんてかわいそうだ」というものがありますが、私が見てきた中では、業績不振で将来性が無い会社にずっと勤めてもらうほうが、お給料も安く、ボーナスも無く、仕事のやりがいも無いので明らかにかわいそうな状況であるということです。

大局的なモノの見方をして、業績不振の自社よりも世の中の良い会社に転職してもらうという決断も必要です。

②利益が出た時に「節税」しすぎていないか?

 「経費の見直し」の2点目は、利益が出た時に「節税経費」を入れすぎているケースもあります。そのような場合には、利益が少なくなった段階では、削減しなければなりません。それらは主に以下のとおりです。

 ◎社長の役員報酬
 ⇁売上に対して、役員報酬の比率が8%以上の場合には削減をしましょう。

 ◎節税対策用の身内の役員報酬
 ⇁売上に対して、利益が出ていない場合には、節税対策用の身内の役員報酬等は削減をしましょう。

 ◎資産形成用保険
 ⇁利益が出ていないのに積立保険を行っており、それにより資金繰りが悪くなっているというケースであれば、資産形成用保険の一時休止or減額を行うか、休止or減額が行えない場合には、解約も止むをえず検討することも大切です。

 本来、多く出た利益を退職金用などのために積み立てておくための「資産形成用保険」であるにも関わらず、赤字で資金繰りが悪くなりながら、資産形成用保険をかけ続けるということも本末転倒なことだからです。

 

③その他、無駄使いをしている経費を削減する

 「経費の見直し」の3点目は、その他、無駄使いしている経費を削減することです。よくある無駄使いしている経費は以下のとおりです。

 ◎飲食費(接待交際費・会議費)
 ⇁社員のモチベーションのために、頻繁に食事会等を開いていたりすることもありますが、私の経営指導の経験則上、食事会を開催しても、しなくても、社員のモチベーションにはあまりリンクしていません。なので、食事会を開かなくても、仕事に対してのモチベ―ションが高まるよう、仕事で勝負をする心構えを持っていきましょう。
 ◎広告宣伝費
 ⇁実は、売上を上げるための「投資」だと思い込んでいて、制限なく使ってしまっているケースもあります。業者に支払う、WEB制作費、ネット広告費用、などがそれに当たります。

塗装屋さんの場合の広告戦略については、職人の会では熟知していますので、そちらはお気軽にご相談ください。かなりコスト削減が可能になると思います。

 ◎セミナーや研修費
 ⇁意外と大きなものが、セミナーや研修費、などです。全てがNGとは思っておりませんが、費用対効果(ROI)をしっかりと見て、効果が無い出費を繰り返し行っていないか?単なる情報収集類のセミナーや研修等に年間百万円単位でお金を使っていないかは、よく精査することが大切です。

■まとめ

 塗装屋さんの経営だけではなく、どのような会社経営でも、自社としっかりと向かい合い、原理原則に沿った無駄の無い経営をイメージしていくことで、大成功はしなくても、健全堅実な成長を実現することは可能だからです。

以上が「経費の見直し」の具体的なポイントです。

3-2.売却できる資産を売却する

塗装屋さんの借金完済のための経営改善アクションの2点目は、「売却できる資産を売却すること」です。

人間の特長として、購入することにはあまり抵抗がなく、売却することには多少の抵抗を感じるものです。ところが、経営環境も変わり、不要になってきているものも増えていたりしますので、時々は、経営環境の中でも「断捨離」が大切です。

1つ1つの物や機械、倉庫、車両などの断捨離を行うことは、自社が本業として何を行うのか?に対して、意思決定を重ねている行為でもあります。あれもこれも、両手に沢山抱えているような状態の経営ではなく、シャープに本業にのみ向かう経営のほうが、必ず成功に近いものですから、勇気を持って、不要な資産類を売却しましょう。

◎保有している不動産の見直し
 ⇁初代の代で昔購入した古く活用していない社屋・倉庫・土地など。「いつかは何かに使える」等と考えて、10年以上何も使っていない社屋・倉庫・土地などがあれば、この経営改善期を機に、売却を検討するべきです。
◎不要なほど所有している車両
 ⇁税金やメンテナンス費用もかかりますので、この経営改善期を機に、不要な車両は売却するべしです。
◎倉庫に残っている古い材料や塗料・使わない道具
 ⇁決して使うことができないかもしれない古くなった材料や塗料・使わない道具も、この経営改善期を機に、処分を検討するべきです。
◎社長が保有している高級車
 ⇁基本的に、業績が悪い会社の経営者ほど、高級車に乗っており、業績が超健全な会社の経営者ほどリーズナブルな自家用車に乗っていたりします。もし、高級車を保有しているのであれば、税金やメンテナンス費用、ガソリン代もかかりますので、これを機に売却をしましょう。
◎高級マンション
 ⇁万が一、返済がおいついていないほどの高級マンションン等を購入して住んでいたら、その場合も売却をして、ランクを落としたリーズナブルなマンションに転居することも検討しましょう。

その他、まだまだあるかもしれませんが、贅沢品として所有しているような資産などがあれば、ためらわず売却をします。

それにより、精神的にも身軽になり、何を中心に考えて経営を行っていくのかが明確になることで、経営改善は進みます。

塗装屋さんの借金完済のための経営改善アクションの2点目は、「経営の断捨離」でした。

3-3.原価の見直しを行う

塗装屋さんの借金完済のための経営改善アクションの3点目は、「原価の見直しを行うこと」です。

「経費の見直し」は一度行えばしばらくOKですが、「原価の見直し」は、一度行ったらそれでOKというわけにはいきません。日々に、繰り返し確認をすることが大切な項目となります。

以下の点を日々に確認をしてみてください。そして、改善できる点から改善してみてください。

視点①粗利の少ない下請け・孫請け仕事を行ない続けていないか?

 原価の見直しの視点①は、「粗利の少ない下請け・孫請け仕事を行い続けていないか?」です。基本的に原価80%以上となるような下請工事の受注は要注意です。しかし、冬場の仕事を頂くためには春期~秋期には多少厳しい現場も請けておかなければならないというケースもあるかとは思います。

 その場合は、年間トータルで、その元請け様からの発注現場の売上/原価をよくチェックをしておき、発注金額の交渉ができる余地があれば交渉をし、交渉が難しい場合であれば、時期を見て撤退も検討することも必要です。

注意!

原価80%以上になる下請工事の受注は要注意

 

 

視点②外注費用が高すぎないか?

 原価の見直しの視点②は、「外注費用が高すぎないか?」です。基本的に、工事代金に対して、原価75%以上の外注費は要注意です。

 特に、下請け工事業者から見積を貰って支払っているケースにおいては、外注費用が必ず高騰しますので、外注業者に発注する場合には、必ず、自社の料金表に基づき発注するように心がけてください。(料金表が無い場合には、早期に自社用の発注料金表を作成しましょう)

注意!

原価75%以上の外注費も要注意

 

 

視点③人工管理をして現場進行をしているか?

 原価の見直しの視点③は、「人工管理をして現場進行をしているか?」です。

 自社職人による現場進行において、人工管理をするのは当たり前と言えば当たり前ですが、借金が出来てしまう塗装屋さんにおいては、意外と出来ていない塗装屋さんも多いと感じます。行っていない塗装屋さんは早期に行いましょう。

注意!

人工管理の徹底

 

 

視点④月ごとの完工売上計画を立てているか?

 原価の見直しの視点④は「月ごとの完工売上計画を立てているか?」です。その月、その月ごとに「完工売上計画」を立てていない塗装屋さんの場合、ダンドリが悪く、過剰人員で現場をこなさなければいけないことがあり、その分が赤字になったりします。

 それは、元請け様から「どうしても〇〇月までにやってほしい」、直販のお客様からも「〇〇月までにやってほしい」等と頼まれた仕事をこなしているうちに、ダンドリが狂ってきてしまうケースです。

仕事が無くなる不安があるため、つい安請け合いをしてしまうケースもありますが、毎月の「完工売上計画」を立てて、元請け様やお客様に対しても、確かな施工期間を伝えることで不安を与えなければ、仕事を計画的に発注してくれるということに繋がりますから、頑張って、完工売上計画を立てましょう。

注意!

月ごとの完工売上計画をしっかりと立てる

 

 

視点⑤常に準備は常に万全か?

 原価の見直しの視点⑤は、「常に準備は万全か?」です。現場に対して、忘れ物などが頻繁にあり、休憩時間も長い塗装屋さんの場合、ほとんどのケースで業績が悪化しています。

たかが忘れ物ですが、往復で30分~1時間程度かかるとし、それが2日に1度程度ずつあるとしますと。「現場の10分間=原価1%」ですので、こまめに原価が高くなります。それが会社の習慣となっていて、多くの職人さんが同じように行うとしたら、当然、原価が高くなっても仕方ありませんね。

このようなケースでは、特に無駄使いしている実感はなく、みんなも頑張っていると思い込んでいながらも、原価が高くなるという結果を生み出しますので、注意が必要です。

注意!

毎日10分間の無駄は『原価1%』のロス

 

以上が「原価の見直し」の視点です。繰り返しますが、これらは一度行っただけでOKというものではなく、日々に確認をする習慣が大切となってきますから、ぜひ、頑張っていきましょう。

3-4.マーケティングをマスターして住宅塗装直販の売上計画を立てる

塗装屋さんの借金完済のための経営改善アクションの4点目は、「マーケティングをマスターして住宅塗装直販の売上計画を立てる」ことです。

やはり、なんだかんだと言いながら、下請けのお仕事ばかりを行っていては経営改善は難しいので、「住宅塗装直販事業」に参入して、売上計画を立てていくことです。

また、現実的に私たちの元に相談がある業績不振の塗装屋さんの多くは下請け塗装工事店の方が多く、「住宅塗装直販事業」に参入することを通して、経営改善を実現しているということもあるからです。

詳しくは、本サイト(日本建築塗装職人の会アカデミー)や、「塗装屋さんの集客を成功に導くチラシ・ロゴの120のチェックポイント」などをご覧になってください。

また、直接、経営相談をしたいという場合には、無料相談も受け付けていますので、以下からお問合せください。

 

 

 


4.借金返済後「リバウンド借金」をしないための7つの「指針」

それでは、次は無事、借金完済を実現した後に、「リバウンド借金」をしないために必要な指針をあらかじめ提案しておきます。

「リバウンド借金」、、実は、意外とあります。

一度借金を完済できたから次も大丈夫だろう…。と思ってしまうのでしょうか。

様々な理由から「リバウント借金」が出来てしまう状況を見てきていますので、あらかじめ以下の指針を理解をしておき、「リバウンド借金」ができないように心がけてみてください。

指針1.資産形成目標を持つこと

「リバウンド借金」を予防する1点目の指針は、1-1-⑥「資産形成目標を持つ」でも訴求したとおり、「資産形成目標を持つこと」です。

借金が出来、資産より負債が多くなる方のほぼ全ての方は、資産形成目標を持っていないことが挙げられます。

具体的には、「お金は天下の廻りモノだから、使わないと入ってこない」と思い込んでいたり、そもそも論で、「自分はお金を貯める才能は無い」と思い込んでいたりします。

これらはいずれも間違っていて、お金を貯める目標(資産形成目標)を持つことで誰でも、お金を貯めることは可能ですので、少しずつでも良いですから、具体的な目標を持って、お金を貯めていく努力をしていきましょう。

 

指針2.衝動買いを辞めること

「リバウンド借金」を予防する2点目の指針は、「衝動買いを辞めること」です。

1点目の「資産形成目標」を持ったとしても、「衝動買いをする習慣」があり、お金を使うことが大好きな場合、お金が貯まることはありません。

それは、個人だけではなく、会社でも全く同じことが言えます。

よって、中小企業経営者の場合は、会社だけではなく、プライベートでも「衝動買いをする習慣を持たない努力」が大切です。

と言いますのは、一般的にも「お金持ち」とはお金を使わないからお金を持っているのであり、お金を使ってばかりの人はお金が貯まらないので、お金持ちではなく、『お金使い』だからです。

具体的には、「衝動買いを辞める」ためには、以下の指針を持ち、固く守ることです。

 ルール① 欲しいと思ったものでも、その日のうちに購入の意思決定をしない
 ルール② 欲しいと思ったものでも、本当に”必要”なのか周りの人の意見を聞いてみる

これらを実行することで、感情的な買い物を予防し、無駄使いを防ぐ効果がありますので、今から心掛けてみてください。

指針3.「健全堅実経営」を心掛けること

「リバウンド借金」を予防する3点目の指針は、「健全堅実経営を心掛けること」です。

「健全堅実経営」、別の表現方法をすると、ここでは、「オーガニックグロース経営」を指しています。

「オーガニックグロース経営」とは、無理に売上の急拡大などを目指すのではなく、自社内部の資産(資金・人材・知識・モノ・設備・など)をベースに、毎年5%~10%前後の成長目標を立てて行う経営です。

私は、様々な会社の経営を見てきた立場からも、日本の多くの中小企業には、この「オーガニックグロース経営」が社長にも、社員にも、地元のお客様にも合っていると感じています。

ところが、インターネットなどの広告表現で、「1年で売上を3倍にした」「わずか〇年で〇〇億円企業へ」等というものを見すぎてしまうと、この「オーガニックグロース経営」を忘れてしまう傾向がありますので、注意が必要です。

 

指針4.自社の「強み」を発見すること

「リバウンド借金」を予防する4点目の指針は、自社や自分の「強み」を発見することです。

結局、事業は自社の「強み」を伸ばし続けていくことですが、自社の強みが発見できていない場合、事業の方針がコロコロ変わり、様々なモノへ投資をしたりすることになり、事業が不安定になり、また借金が出来てしまうことがよくあります。

それは、具体的には住宅塗装直販事業で、売上を上げて経営改善を実現したとしても、それ自体を強みであると認識できなかった場合、また他の事業へ手を出してしまったりして、業績が不安定になるケースもあります。

「塗装屋さんの経営の7つの原理原則」の7つ目にも記載があるとおり、自社の強み(コア・コンピタンス)を発見し、追求し続けていくことが経営成功への最短距離でもありますので、借金完済後は、特に、このことを考えていくと良いでしょう。

 

指針5.楽しくなるまで仕事(本業)を追求すること

「リバウンド借金」を予防する5点目の指針は、「楽しくなるまで、仕事(本業)を追求すること」です。

実際、仕事(本業)をしっかりと追求している社長さんには、あまり借金はできないものです。

追求するとは、「出来ない1つ1つの部分をできるようになろう」と常に、努力し続けている姿ではないでしょうか。

そして、会社の成長に限界はありませんから、1つのことができるようになっても、また次の課題が出てきて、それに取り組むということを繰り返していきます。

そのように経営に取り組んでいると、余計なモノや環境に目移りしなくなるものですから、借金もできにくいというわけです。

 

指針6.理念ビジョン価値観マッチング採用を行うこと

「リバウンド借金」を予防する6点目の指針は、「理念ビジョン価値観マッチング採用を行うこと」です。

こちらの意味は、組織が乱れることで出費も増えるため、「乱れない組織をつくりましょう」ということになります。

一般的に多くの塗装屋さんは、忙しい時に人手を募集する「猫の手も借りたい採用」を行っていることがほとんどです。

しかし、そのようなケースで採用した人材は、また何かの機会で別の塗装屋さんへ転職をしてしまったりします。

そうなれば、また、採用費用をかけて新たな人材を採用しなければなりません。

 このような流れを多くの塗装屋さんが行っているため、塗装屋さんの経営とはこのようなものだ、社員は入社しても、また退社をしてしまうものだ、と思い込んでいる社長さんも多いものですが、「理念ビジョン価値観マッチング採用」をしっかりと行っていくことができると、社員も定着していくようになるため、結果的に、採用コスト、教育コスト、など様々なコスト削減効果があり、業績も良くなります。

 そのため、リバウント借金」を予防するためにも、「理念ビジョン価値観マッチング採用」を心掛けていくことが大切なのです。

「理念ビジョン価値観マッチング採用」の具体的な方法論については、別途コラムを記載する予定ですので、楽しみにお待ちください。

 

指針7.経営ビジョンを描くこと

「リバウンド借金」を予防する7点目の指針は、「経営ビジョンを描くこと」です。

実際には、本節の以下の点を心掛けていくことで、到達していく境地が「経営ビジョン策定」であるとも思っていますので、結果的に、借金完済にしっかりと取り組んでいくことは、良い会社づくりに直結しているとも言えます。

 4-3.「健全堅実経営」を心掛けること
 4-4.自社の「強み」を発見すること
 4-5.楽しくなるまで仕事(本業)を追求すること
 4-6.理念ビジョン価値観マッチング採用を行うこと

結局、リバウンド借金をしないための7つの指針は、会社経営上、重要な明確な目標を持つことを示しています。

明確な目標が無ければ、会社経営だけでなく、スポーツでも、様々な取り組みでもうまく行きづらいものですよね。

そのようなことからも、借金完済後と言わず、現時点から明確な目標を持って、人生を生きていきたいものですね。

 


5.どうしても借金を返済できない場合に考える2つのこと

それでは、最後に、どうしても借金を返済できない場合に考えることについて説明しておきます。

5-1.弁護士に依頼して「自己破産」をする

 どうしても借金を返済できない場合に考えることの1つ目は、「弁護士に依頼して、自己破産をすること」です。

「自己破産」も再起の方法として法的に認められている方法ですので、選択肢の1つとして考えておく余地はあっても良いかと思います。

ただ、「自己破産」をすると、信用情報(いわゆるブラックリスト)に掲載されることになるため、5~10年前後は新規の借入やローンなどを組むことが難しくなるというデメリットもあります。

また、協力業者等の方々からもまわりの方々に風評で情報が伝わることにもなりますので、関係者との信頼関係も失われることにもなります。

そのため、私は(弁護士や会計士ではなく)経営コンサルタントとして、デメリットを受け入れてもなお、債務を解消できるメリットのほうが大きいという場合にのみ、自己破産を行ったほうが良いと考えています。

 

■塗装屋さんの経営コンサルタントとして「自己破産」を行ったほうが良いと考えている基準

項 目具体的な内容
①債務(借金総額)

・売上以上の借金がある
・金額として2億円以上の借金がある

②年齢・60歳以上
③健康状態・病気あり
④協力者・(会社に右腕等もおらず)少ない~いない
⑤人生設計・この後は健全経営を心掛けていく意思を明確に持っていること

 おおよそ、上記の基準を満たしている場合、その後の有意義な人生と挽回の人生を送るためにも、経営コンサルタントとしての私は「自己破産」も選択肢の1つと考えます。その後は、自分の得意な塗装工事を、身の丈に合わせて、感謝の思いでコジンマリとした塗装屋さんを経営していくということもありかな、と考えているからです。

 とは言えど、多くの社長はお若い時期には経営を成功させていた方が多いため、自分が「自己破産」という選択肢を選ぶということを、認めたがらない方も多いのですが、今は、人生90年~100年時代とも言われており、経営者の方は75歳~80歳程度まで現役で働く方も大勢おられるため、残りの人生を考えた時には、「自己破産」は必ずしも、「人生負け組の烙印」ではなく、長い人生のプロセスの中での貴重な体験と捉え、失敗からも学ぶ精神で過ごす時期も大切ではないかと考えています。

 逆に、負けん気だけで永遠と借金完済に追われて、社員の入退社が続き、長年連れ添ってくれている奥様も老後まで不安な人生となってしまっている方も見てきたため、客観的に見て、「全体の幸せ」を実現するためには、一時期、社長が折れることも大切ではないかと考えています。

 現に私の父は、塗装屋さんになる前の事業で多額の負債を抱えて「自己破産」をし、その後、塗装屋さんになり、私と共に塗装屋さんを成功させて、若い職人たちにお店を譲り、今も元気に塗装工事をしているという現実を見ているからです。

 

5-2.ニッポンの塗装店FCに加盟する

 どうしても借金を返済できない場合に考えることの2つ目は、手前味噌で恐縮ではありますが、「ニッポンの塗装店FCに加盟すること」です。

 自己破産をするまでの意思決定はできないが、もう背に腹は代えられない状態であるというのでしたら、ぜひ、最後に「ニッポンの塗装店FC」に加盟することも検討してみてください。

 私たちの経験則上、どん底を自覚した経営者ほど、その後、力強く上昇することが多いものです。

「窮鼠猫をを噛む」とか「火事場の馬鹿力」などとも言われるように、追い込まれた人は、これまで想像もできないほどの力を発揮することもあります。現に、ニッポンの塗装店FCでもそのような加盟店さんは存在します。

 これまでの人生でいろいろトライをして成功や失敗を重ねてきたけど、最後に、ニッポンの塗装店FCにたどりついて安定経営を実現できるようになった、というサクセスストーリーはよくありますので、自己破産を踏みとどまったあなたは、最後の挽回をここで賭けてみてください。

 私たちは、どんな状況にある方でも、その方の経営成功にコミットし、支援しています。

 

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