
はじめに なぜ“真面目にやってるのに”うまくいかないのか
塗装業界には、こんな嘆きが絶えません。
「腕には自信があるのに、売上が伸びない」
「お客様からの評判は悪くないのに、なぜか暇な時期がある…」
「朝から晩まで現場で汗をかいているのに、通帳にはお金が残らない…」
真面目に、誠実に、丁寧に仕事をしているはずなのに、なぜ成果につながらないのか。
その理由は、多くの場合「努力の方向」が間違っているからです。
本章では、その典型的な3つの落とし穴をお話しします。
1.よくある誤解:いい仕事をしていれば仕事は来る・・
多くの職人社長が信じています。
「良い仕事をしていれば、お客様はいつか必ず増える」と。
確かに、昔はそういう時代もありました。人口が増え、新築が多く、知り合いの紹介だけで現場が埋まる時代。ところが今は違います。人口は減少し、塗装業者は増え、インターネットでの比較検討が当たり前になりました。
どれだけ良い仕事をしても、それが「伝わらなければ」存在していないのと同じです。
腕の良さは前提条件であり、選ばれる理由にはなりません。
本当に必要なのは「良い仕事を、きちんと伝える仕組み」です。
2.良い職人と「良い経営者」は違う
「俺は職人だから」
この言葉で、多くの社長が経営を後回しにしています。
しかし、職人としての技術と、経営者としてのスキルはまったく別物です。
良い職人は、現場で高品質な施工を行います。
良い経営者は、現場の外で売上と利益を守る仕組みを作ります。
もしあなたが両方を兼ねるなら、現場だけに没頭してはいけません。
見積・集客・資金繰り・社員教育……それらを意識的に学び、実行することで初めて会社は成長します。
腕だけに頼る経営は、例えるなら「最高のエンジンを積んだ車を、ハンドルも地図もなしで走らせる」ようなものです。
3.下請けに甘んじる構造的な罠
「元請けから仕事をもらえるから、営業しなくても大丈夫」
この状態は、短期的には安心ですが、長期的には危険です。
下請け構造に依存すると
- 利益率は常に低い
- 元請けの都合で仕事量が変動する
- 値下げ要求に逆らえない
- ブランドが育たない
つまり、あなたの会社は「取引先の景気次第」で浮き沈みする運命になります。
本当に安定した経営を目指すなら、元請けや直販案件を増やし、「自分で価格を決められる立場」を築くことが不可欠です。
この3つの落とし穴に気づくことが、「真面目にやっているのにうまくいかない」状態から抜け出す第一歩です。
次章からは、それぞれの間違いを具体的に掘り下げ、改善のための戦略をお伝えします。
間違い①「安くして仕事を取るのが営業」
「価格を下げれば受注できる」
この思い込みは、塗装店経営を最も早く疲弊させる罠です。
確かに、見積もり額を下げれば、目の前の1件は取れるかもしれません。しかし、その方法で手に入るのは「安さで選ぶお客様」だけです。
ここでは、値下げ営業の3つの致命的な落とし穴を解説しますね。
1. 相見積もり競争に巻き込まれる理由
今やお客様は、インターネットで簡単に3社、5社と見積もりを取る時代です。
そして多くの塗装店が「少しでも安く見せよう」と単価を下げ、工事範囲をぼかし、サービスを付けて価格を合わせます。
しかし、この競争に参加した瞬間、あなたの仕事は「品質」や「価値」ではなく「数字」でしか比較されなくなります。
結果として、お客様の頭の中はこうなります。
「誰でもいいから、一番安いところに頼もう」
この状態では、腕も人柄も実績も評価されません。
あなたが勝っているのは「安さ」だけなのです。
2. 値下げ依存から抜け出せない塗装店の末路
一度、値下げで仕事を取るクセがつくと
- 利益が減る → 広告や設備投資ができない
- 単価を戻すと、お客様が離れる
- さらに安くするしかなくなる
という、負のスパイラルに陥ります。
しかも、安く受けた仕事ほど、手間を省きたくなり、現場の品質が落ちやすい。
その結果、クレームや悪評につながり、さらに受注が減り、また値下げする……。
値下げ依存は、塗装店の経営体力を静かに、しかし確実に奪っていきます。
これはゆっくりと進む“経営の自殺”です。
職人の会式・選ばれる塗装店の営業とは?
では、どうすれば価格競争から抜け出せるのか?
答えは明確です。「価値で選ばれる状態をつくる」*ことです。
職人の会式の営業は、値下げではなく“信頼の積み上げ”を軸にしています。
- 施工事例やお客様の声を徹底的に見せる
- 現場調査を丁寧に行い、診断書を提出する
- 専門家としての提案力で、「この人に任せたい」と思わせる
- 保証やアフターサービスで長期的な安心を提供する
こうして「他社とは比較できない理由」をお客様の心に刻むことで、価格ではなく信頼で選ばれる営業に変わります。
結果として、あなたは相見積もりの場から抜け出し、「指名でお願いされる塗装店」になるのです。
値下げは、一瞬の勝ちを手にする代わりに、未来の勝ちを失う戦略です。
本当の営業とは「価格を下げること」ではなく、「価値を上げること」。
次章では、間違い②「ホームページは知り合いに頼めば十分・・」という誤解について、より深く掘り下げていきます。
間違い②「ホームページは知り合いに頼めば十分‥」
「うちのホームページは、親戚のパソコン得意な子に作ってもらった」
「知り合いの業者に格安で作ってもらった」
こういう話は、現場を回る中で本当に多く聞きます。
確かに、知り合いに頼めば初期費用は安く済みます。しかし、安さの代償として失うもの・・。
それは、見込み客からの信頼と、受注のチャンスです。
1. 形だけのHPがむしろ信用を落とす理由
お客様が塗装業者を選ぶとき、まず最初にチェックするのがホームページです。
そこで感じる印象が、問い合わせの有無を決定づけます。
もしあなたのHPが
- 写真が暗く、画質が荒い
- 情報が古く、更新が止まっている
- スマホで見づらい
- 施工事例が数件だけ
- 「料金表なし・保証内容なし」
……こういった状態であれば、見込み客の心の中ではこうなります。
「ちゃんとしてない会社かもしれない…」
「情報が少ないし、不安だから別の業者にしよう…」
つまり、形だけのHPは、営業マンが玄関先で無言のまま帰るのと同じ。
作るだけでは、信用どころか逆効果になるのです。
2.成果につながるHPの条件
成果を出すホームページには、明確な条件があります。
それは「信頼を生む情報」と「行動を促す導線」の両立です。
具体的には
- 施工事例:工事の内容・工程・写真・お客様の声をセットで掲載
- 料金・相場感:安心して問い合わせできるように価格の目安を明示
- 保証・アフターサービス:工事後の不安を解消する内容
- 会社情報・代表挨拶:顔と想いを見せ、信頼感を高める
- 更新情報(ブログ・お知らせ):活発に動いている会社である証明
- スマホ最適化:スマホで見やすく、ボタン一つで電話やLINEができる設計
これらが揃うことで、お客様は「ここに頼んでも大丈夫だ」と判断します。
3.職人の会式・顧客導線設計の考え方
職人の会では、ホームページを「オンライン営業所」と捉えています。
現場に行く前から、HP内でお客様との信頼関係を作る──これが顧客導線設計の基本です。
導線設計の流れはこうです。
- 集客ポイント(SEO・SNS・チラシなど)からHPへ誘導
- HPで施工実績・保証・想いを見てもらい、「この会社に任せたい」と思わせる
- 問い合わせのハードルを下げる(LINE・電話・メールなど複数の窓口)
- 見積依頼後も事前資料や事例動画で信頼を深める
つまり、職人の会式HPは「ただ作る」のではなく、「お客様が自然に動くように設計する」ことが最大の特徴です。
ホームページは“名刺代わり”ではありません。
それは24時間働く無休の営業マンであり、最初に接する会社の顔です。
安く作ることが悪いわけではありませんが、安さ優先で設計を軽視すると、結果的に高くつくのが現実です。
次章では、間違い③「職人さえいれば会社は回る」という誤解について、さらに掘り下げていきます。
間違い③「職人さえいれば会社は回る‥」
「職人がいれば工事はできる。だから職人さえ確保しておけば大丈夫」
この考え方は、かつての高度成長期や公共工事全盛時代なら通用したかもしれません。
しかし今は、職人不足・高齢化・若者の職人離れという“三重苦”の時代。
さらに、SNSやクチコミで会社の内情がすぐ広まる時代です。
そんな中で“人が辞める会社”になってしまえば、どれだけ受注があっても現場が回らなくなります。
1.職人不足時代に“人が辞める会社”の特徴
今、塗装業界で人材が定着しない会社には、いくつかの共通点があります。
- 怒鳴る・叱る文化が残っている
- 成長の道筋(キャリア)が見えない
- 給与体系が不透明で「頑張っても報われない」
- 社員が誇りを持てるブランドや理念がない
- 社長が「経営」ではなく「現場」にしか目を向けていない
このような職場では、若い職人はもちろん、中堅職人も離れていきます。
そして辞めた職人は、次の職場で業界の悪口を言い、さらに採用が難しくなる…。まさに悪循環です。
2.中卒・未経験でも育つ“のび太くん採用”とは?
職人の会式の人材戦略で特徴的なのが、“のび太くん採用”という考え方です。
これは、最初から完璧な即戦力を求めず、「素直で、育てれば伸びる子」を採用する戦略です。
のび太くん採用のポイントは
- 人柄重視(礼儀・素直さ・感謝の気持ち)
- 未来のビジョンを共有し、会社と一緒に成長できるかどうか
- 技術よりも学ぶ姿勢を見極める
未経験者でも、明確な教育カリキュラムと先輩の伴走があれば、2〜3年で現場を任せられる戦力に育ちます。
むしろ他社で悪い習慣を身につけた中途職人よりも、会社の文化に馴染みやすく、長く働いてくれる傾向があります。
3.職人の会式・人材戦略のリアル
職人の会が推奨する人材戦略は、単なる「採用活動」ではなく経営の中核です。
具体的には
- 採用ブランディング:会社の理念・働く魅力をHP・SNS・求人票で発信
- 教育マニュアル化:現場作業から接客マナーまで、属人化しない教育体系
- 定着施策:給与・評価制度の透明化、キャリアパスの提示
- 社内文化の育成:「誇り」と「仲間意識」を持てるチーム作り
この仕組みを整えれば、採用は“年中くじ引き”ではなく、“必要なときに必要な人が集まる”安定状態になります。
結局のところ、「職人さえいれば会社は回る」という考えは、今の時代には通用しない幻想です。
これからの塗装店経営は、「人が育ち、人が残り、人が集まる会社」を作れるかどうかが、生き残りの分かれ道になります。
次章では、間違い④「見積りはどこも同じ」という誤解について、より具体的な事例を交えて解説していきます。
間違い④「見積りはどこも同じ‥」
お客様に見積書を渡すとき、こう思っていませんか?
「最終的には価格で決まる」
「どこも同じ項目と金額だから、安いほうに流れる」
しかし、現実には、同じ金額でも「この会社にお願いしたい」と言わせる見積りがあります。
それは、単なる価格表ではなく、信頼を形にしたプレゼン資料だからです。
1.素人にわかりづらい“見積り”が選ばれるポイントになる
一般のお客様にとって、塗装の見積りは専門用語だらけ。
「下塗り」「中塗り」「上塗り」や「シーリング打替え」など、聞き慣れない言葉の羅列は理解されにくいものです。だからこそ‥
- 用語の意味を写真や図解で説明する
- 「なぜこの工事が必要か」を理由付きで書く
- 工事後のメリット(耐久性・美観・保証)を明記する
このように、お客様の“わからない”を潰す見積りが、信頼を勝ち取る要素なのです。
逆に、項目と金額だけの見積りは、結局「安いか高いか」でしか判断されないのです。
2.「選ばれる見積り」「記憶に残る現地調査」とは
職人の会では、見積りと現地調査を“差別化のゴールデンタイム”と位置づけています。
①選ばれる見積りの条件
- 写真付きの診断書を添付
- 作業工程ごとの説明(手書きメモでも効果大)
- 他社との違いを明確にする比較表
- 仕上がりイメージを共有(色見本や完成写真)
②記憶に残る現地調査のポイント
- 屋根や外壁の状態をその場でタブレットや写真で見せる
- 「ここはすぐ工事が必要」「ここは次回でOK」など正直に伝える
- メジャーやドローンなど、少し“特別感”のある調査方法を見せる
- 調査中の丁寧な態度と安全配慮
こうした行動は、「この会社は本気でウチの家を見てくれている」という強い印象を与えます。
結果、見積り金額よりも“人と会社への信頼”で契約が決まります。
3.PPS(Premium Paint Service)という新常識
職人の会が提唱する『PPS(Premium Paint Service)』は、ただの塗装工事ではありません。
「価格」ではなく「価値」で選ばれるためのサービスパッケージです。
PPSの特徴は
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このパッケージを見積書と一緒に提示することで、お客様はこう感じます。
「ここは他の会社と違う。少し高くても、ここに頼みたい」
価格競争から抜け出すには、“工事そのものをブランド化”することが必要です。
PPSは、そのための新しい常識となる仕組みです。
見積りは、単なる数字のやり取りではありません。
それは、お客様に「あなたの会社を選ぶ理由」を与える・・・・
続きの内容では以下の内容をご紹介しています。
間違い⑤「広告を出せば売上は上がる」
間違い⑥「うちは紹介が多いから‥」
間違い⑦「施工品質さえ高ければ経営は安泰だよね‥」
間違い⑧「フランチャイズはどこも同じでしょ‥」
間違い⑨「忙しい=儲かっている」
間違い⑩「社長は現場に出てナンボ」
まとめ 職人社長がこれから取るべき3つの行動指針
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