発行・運営
日本建築塗装職人の会
職人の未来は明るい。ただし、会社は別だ

「この仕事に、将来はあるんですかね?」
時々、職人社長から、こんな質問を受けます。
結論から言えば、
職人の仕事には、これからも十分に将来があります。
むしろ、心配すべきなのは、
「仕事がなくなること」
ではありません。
今、日本では職人不足が続いています。
住宅は建てたら終わりではありません。
屋根も、外壁も、防水も、設備も、
年月が経てば必ず修繕が必要になります。
つまり、
建物が存在し続ける限り、
それを守る職人の仕事も必要とされ続けます。
■すでに起きている「職人不足」
特に屋根工事などの世界では、
- 頼んでも、すぐに施工してもらえない
- 仕事はあるのに、職人が足りない
- 職人の手間賃が上がっている
- 腕のよい職人直営店に依頼が集まっている
という状況も珍しくありません。
これは見方を変えれば、
職人の価値が、これまで以上に高まっている
ということでもあります。
だから私は、
「職人の未来そのもの」を悲観する必要はないと思っています。
問題は、その先です。
■厳しくなるのは「職人の仕事」ではなく「育てられない会社」
これから厳しくなっていくのは、
- 職人を採用できない会社
- 若い職人を育てられない会社
- 人が定着しない会社
- 社長一人の腕だけで回している会社
ではないでしょうか。
これまでの職人経営では、
「腕がよければ仕事は来る」
という面が確かにありました。
しかし、これからは、
技術力だけでは会社を守り続けることが難しくなっていきます。
必要になるのは、
職人を採用する経営力。
職人を育てる教育力。
そして、
職人が長く働ける会社をつくる組織力。
です。
■「次の職人」が育っているか
仕事の将来を心配する前に、
経営者が一度考えたほうがよいことがあります。
それは、
自社に「次の職人」が育っているか。
ということです。
社長が50歳、60歳になっても、
すべての現場を自分で背負い続ける。
自分が動かなければ、
売上も品質も止まってしまう。
それでは、
どれだけ技術があっても、
会社としては次の世代へつながりません。
反対に、
若い人が入ってきて、
先輩から技術を学び、
やがて一人前になり、
さらに次の世代を育てていく。
そんな循環をつくることができれば、
小さな職人会社でも、
長く地域に必要とされる会社になっていけます。
■職人不足は、職人会社にとっての転換点
職人不足という言葉だけを聞くと、
暗い話に聞こえるかもしれません。
しかし私は、
必ずしもそうとは思いません。
職人が少なくなるということは、
本当に技術を持ち、
人を育て、
地域から信頼される会社の価値が
一層高くなるということでもあります。
つまり今は、
「職人の仕事がなくなる時代」
ではなく、
職人会社の経営力が問われる時代
なのだと思います。
職人の未来は明るい。
ただし、
何もしない会社の未来まで、
自動的に明るくなるわけではありません。
技術を磨く。
人を採用する。
人を育てる。
会社をつくる。
いつの時代でも、
未来は結局、
今日の積み重ねの先にあります。
日本建築塗装職人の会
会長 青木忠史
工事店経営の支援に20年以上携わり、これまで700社を超える経営に向き合ってきました。経営、職人育成、建築業界、地域社会の現場で見えてきたことを、親方社長へ向けて発信します。
会社は変わる。
読んで終わりではなく、自社の経営で一つずつ実践する。地域に選ばれ、次の世代へ残る会社づくりを、さらに深く学べます。






