「天網恢恢、疎にして失わず」(てんもうかいかい、そにしてうしなわず)とは、老子の言葉です。意味は、「天網」とは、天の裁きのことであり、「恢恢(かいかい)」とは大きなという意味。
「疎にして失わず」とは、目は粗いが、何ひとつ取り逃すことがないと言っています。 これは、悪は一時期栄えるように見えても、それは
一時のことで、いつか必ず報いを受けるという意味を言っているのです。
老子の生きていた時代(紀元前500年代)は、春秋戦国時代であり、いろいろな悪がはびこっていた時代だったように思えます。
人民一人ひとりの小さな手では代えがたい悪が栄えたとしても、それは、いつか必ず、「天の裁き」があると人々を励ましていたのでしょう。
そして、また、それが「宇宙の真理」であると老子は語っていたのです。
コロナが流行り、戦争が勃発し、世界が混乱の中にある現代に、もしも老子が生きていたとしたら、「天網恢恢、疎にして失わず」と、同じことを言うのではないでしょうか。
日本建築塗装職人の会(青木)