
正しい理解が、建物を守る品質を選ぶ時代へ
外壁塗装・屋根塗装は、住まいの寿命と資産価値を左右する重要な工事です。
しかし近年、インターネット上では「塗装職人」「塗装技術」「プロ施工」などの言葉が混在し、何が本当に信頼できる品質なのかがわかりづらい状況が生まれています。
そこで本ページでは、建設業法や国家資格の体系に基づきながら、「塗装技能者」と「塗装技術者」 の役割の違いを、消費者・発注者・業界関係者の皆さまに分かりやすくご説明します。
1. 用語の整理
「技能」と「技術」は、同じではありません。
| 区別 | 意味 |
|---|---|
| 技能 Skill | 身体で習得する熟練作業。刷毛・ローラー施工、養生、下地処理など「現場で手を動かす力」。 |
| 技術 Technology | 技能に加え、劣化診断、塗料特性理解、工程・安全管理、品質保証などを含む「総合的な建物保全能力」。 |
厚生労働省の国家資格名称は「塗装技能士」が正式であり、塗装はまず技能職として位置づけられています。
しかし近年は、建物の長寿命化・資産保全・省エネ・断熱・防水性能の向上など、塗装に求められる役割が拡大し、工事を管理し設計できる人材=塗装“技術”者の必要性が高まっています。
2. 「塗装技能者」とは?
塗装工事の現場で、手作業の品質を担う熟練した職人です。主に以下の範囲での活躍が期待できる人材です。
- 刷毛・ローラー・吹付施工
- 下地調整、養生、仕上げの判断
- 長年の経験に基づいた手の感覚と勘
- 国家資格:一級/二級/塗装技能士
活躍する場面は以下のとおりです。
- 実際の施工現場
- 仕上がり品質の担保
- 若手育成(技能伝承)
技能者の存在なくして、良い塗装工事は成り立ちません。
イメージしやすい表現
「塗る品質を決める人」
3. 「塗装技術者」とは?
技能に加え建物保全の視点で計画・設計できる専門家です。主に以下の役割を担う人材です。
- 外壁・屋根の劣化診断、調査報告書作成
- 建材に応じた塗料選定と仕様書作成
- 工程管理・安全管理・コスト管理
- 長期保証や維持管理計画の策定
- 断熱・遮熱・防水・防カビ性能の最適化
活躍する場面は以下のとおりです。
- 戸建て住宅の長期保全計画
- アパート・マンションの大規模修繕
- 工場・倉庫・社屋のメンテナンス提案
- 官公庁工事、資産価値維持の相談対応
イメージしやすい表現
「建物を守る塗装を設計できる人」
4. なぜ今「塗装技術者」が求められるのか?
以下の社会背景が進むほど、従来の「塗るだけの塗装」では役割不足になります。
| 時代背景 | 必要になる力 |
|---|---|
| 住宅の長寿命化 | 劣化診断と維持管理計画 |
| 高断熱・省エネ住宅 | 建材・塗料の科学的理解 |
| 不動産価値の保全 | 資産保全の外装設計 |
| 施工トラブル増加 | 品質保証とリスク管理 |
施工価格だけで比較する時代は終わり、建物を守る視点で塗装店を選ぶ時代へ移り変わってきているからです。
5. 消費者にとっての最大のメリット
塗装技術者が関わることで、以下が期待できます。
- 相見積りにおいても正確な判断ができるようになる
- 「塗料メーカー名」ではなく「建物条件基準」で塗料を選べるようになる
- 10年後の劣化・保証リスクまで見据えた提案が受けられる
- 「治す塗装」から「守る塗装」へ発想が変わる
6. 業界関係者にとっての意義
塗装技術者の育成は、次の価値創造を促します。
- 単価競争からの脱却(利益率改善)
- 若手育成・技能継承の体系化
- 大規模・公共案件への対応力
- お客様からの信頼の獲得と紹介増加
まとめ
「技能士」と「技術者」この2つの人材は対立ではなく統合です。
| 位置づけ | 役割 |
|---|---|
| 塗装技能者 | 施工品質をつくる |
| 塗装技術者 | 建物保全を設計する |
どちらか片方ではなく、両者の連携が「良い塗装工事」を実現します。
日本建築塗装職人の会の使命
私たち日本建築塗装職人の会は、各地に根ざす職人直営の塗装店が、価格競争に巻き込まれず、誇りを持って選ばれる存在となる社会を目指しています。
そのために、
全国で「塗装技能士」「塗装技術者」を育成することを理念とし、建物を守る外装品質の未来を創造していきます。
技能を尊び、技術で建物を守る。
日本の住宅を100年単位で守る塗装文化をつくる。
それが私たちの使命です。








